Contemporary Socio-Economic Theory II

Numbering Code U-LAS06 20030 LJ43 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year All students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Fri.2
Instructor name KUROMIYA Kazumoto (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course  本講義では、現代社会の政治経済を規定している根本条件について考えるために、それらがいかなる思想史的経緯からもたらされたのかを概観する。なかでも、前期開講の「現代経済社会論Ⅰ」にひきつづき、冷戦終結以降の世界を席巻し、また、昨今行き詰まりが指摘されるようになったグローバリズム(および新自由主義)の問題が何であるかを論じながら、今日それらへの抵抗、対抗思想として生起している(きた)とされ、ときに「(排外主義的)ナショナリズム」と呼ばれもする保護主義や自国中心主義、移民排斥運動などをいったいどのように考えればよいのかということが中心的な論点となる。こうした問題を追究するために、本講義では、グローバル資本主義の問題がもたらす今日の経済社会の閉塞がいかなるものであり、また、それがいかにして生じてきたのかを、わたしたちの社会を支配している「経済成長」という観念に言及しながら、「経済についての見方」あるいは「社会的価値」の次元で考察していく。あわせて、急速な近代化への抵抗として生みだされ、また「反近代主義」とも目されてきたナショナリズムの今日的な意味についても考えていくことにする。
 

Course Goals 1 グローバル資本主義の問題を「価値」の次元から説明することができる。
2 近代的ナショナリズムの歴史的変遷と現代的変奏について、ナショナリズムの諸理論を用いて説明することができる。
3 今日の経済社会の重要な論点が何であるかを講義で解説した知識を用いて自ら見いだし、それについて考察することができる。
Schedule and Contents   本講義では、以下の各論点につき1~3回の講義をおこなう予定である。ただし、ときどきの「状況」についての総合的な解釈を試みながら講義を展開していく予定であるため、また、受講者の関心や理解度も考慮しながら講義を進めていく予定であるため、各論点をとりあげる順序や回数は変更する場合もある(大きな変更がある場合には、最初の講義において説明する)。

1 「経済成長主義」の限界?
2 戦後世界の「進歩」を促したもの
3 経済成長と「価値」の問題
4 「経済学」という問題
5 戦後日本におけるナショナリズムの問題
6 ナショナリズム=反近代主義?: 近代化およびグローバル化への反動か?
7 善き社会/善き生をどのように思考・志向するか: 経済社会の「価値」問題
 
 以上に加え、期末試験後にフィードバックを1回実施する。よって、授業回数はフィードバックを含め15回とする。

 
Evaluation Methods and Policy 学期末におこなう定期試験(80%)、および授業時間内に実施する小課題(小レポート、コメントシートなど、20%)により評価する。
Course Requirements この授業だけを受講することも可能だが、前期の「現代経済社会論Ⅰ」を履修していることが望ましい。
Study outside of Class (preparation and review) とくに教科書は指定しないので、講義内で適宜紹介する文献を読んでみることをすすめる。
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