ILAS Seminar :Economic Thoughts
Numbering Code | U-LAS70 10001 SJ50 | Year/Term | 2022 ・ First semester |
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Number of Credits | 2 | Course Type | seminar |
Target Year | 1st year students | Target Student | For all majors |
Language | Japanese | Day/Period | Mon.5 |
Instructor name | DAIKOKU KOUJI (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor) | ||
Outline and Purpose of the Course | 経済学の狭い枠にこだわらず、経済の本質にかかわる啓蒙的な本を土台に、問題意識の発掘に努める。 | ||
Course Goals | 現代経済の諸問題を対症療法的にバラバラに論じるのではなく、そのつど理論と思想に還元しながら体系的に理解する姿勢を養う。 | ||
Schedule and Contents |
貨幣は、あらゆる物が買えるという意味で、それがなければまともな社会生活が送れないと同時に、億万長者を夢想する守銭奴が、社会と縁を切ってひたすら蓄財に励む手段ともなりうる。こうした貨幣の逆説は、アリストテレスの古代から現代にいたるまで、人の注意を惹きつけてやまなかった。バブル崩壊、ユーロ統合、金融恐慌、仮想通貨、MMTなどのきわめて現代的な現象もこのことと無縁ではない。このゼミでは、必ずしも経済学の枠にこだわらず、おもに貨幣と信用にかかわる書物を通じ、視野を広く取って問題意識の発掘に努めたいと思う。以下のような課題について、それぞれ2~3週授業をする予定である。あるいは年度に応じて2~3の課題を集中的に取り上げることがある。 1.比例と交換(マルクス、アリストテレス、交換的正義、配分的正義) 2.類似と鋳貨(グレシャムの法則、コペルニクス、ニュートン、贋金づくり) 3.模倣と信用(バジョット、タルド、国家と中央銀行) 4.流行と慣習(スミス、ヴェブレン、先祖がえり) 5.模倣と権力(高田保馬、勢力意志、従属本能、威信への渇望) 6.金融化と世界システム論(アリギ、覇権循環、金融拡大、儒教的市場経済) 7.負債と贈与(グレーバー、物々交換神話、原初的負債論、イヌイット) 8.ポスト・ヒューマニズムとポスト・キャピタリズム(人新世、人間の終焉) (授業回数はフィードバックを含め全15回とする) |
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Evaluation Methods and Policy | 平常点評価(出席状況、報告内容、授業内発言)50点、学期末レポート50点により、総合的に評価する。 | ||
Course Requirements | 後期「経済原論基礎ゼミナール」の連続した履修が望ましい。 | ||
Study outside of Class (preparation and review) | 指定された古典を、適切な二次文献を参照にしながら、徹底的に読み込む。 | ||
References, etc. |
貨幣と信用, 大黒弘慈, (東京大学出版会), ISBN:4-13-040172-6 模倣と権力の経済学:貨幣の価値を変えよ(思想史篇), 大黒弘慈, (岩波書店), ISBN:978-4000253208 その他、授業中に適宜紹介する。 |