Contemporary Socio-Economic Theory I

Numbering Code U-LAS06 20029 LJ43 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year All students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Fri.2
Instructor name KUROMIYA Kazumoto (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course  本講義では、現代社会の政治経済を規定している根本条件について考えるために、それらがいかなる思想史的経緯からもたらされたのかを概観する。なかでも、冷戦終結以降の世界を席巻し、また、昨今行き詰まりが指摘されるようになったグローバリズム(および新自由主義)の問題が何であるかを論じながら、それらへの抵抗、対抗思想として生起している(きた)とされ、ときに「(排外主義的)ナショナリズム」と呼ばれもする保護主義や自国中心主義、移民排斥運動などをいったいどのように考えればよいのかということが中心的な論点となる。具体的には、今日の経済社会の課題について20世紀初頭の問題状況を参考にしながら論じ、そのうえで、冷戦終結のあと経済のグローバル化が進展するにともなって理論化が進んだ規範理論としてのナショナリズム(リベラル・ナショナリズム)がグローバリズムといかなる関係にあるのか、また、ナショナリズムがいかなるメカニズムで生成するのかを考え、近代的ナショナリズムの生成と歴史、およびそれの現代的変奏とその意味を明らかにし、今日の経済社会が抱える本質的問題について考えていくことにする。


Course Goals 1 グローバリズム、ナショナリズム、資本主義などの現代の経済社会を考察するのに不可避な基本概念について、その歴史と思想の把握から、基本的な説明をすることができる。
2 今日の経済社会の重要な論点が何であるかを講義で解説した知識を用いて自ら見いだし、それについて考察することができる。
Schedule and Contents  本講義では、以下の各論点につき1~3回の講義をおこなう予定である。ただし、ときどきの「状況」についての総合的な解釈を試みながら講義を展開していく予定であるため、また、受講者の関心や理解度も考慮しながら講義を進めていく予定であるため、各論点をとりあげる順序や回数は変更する場合もある(大きな変更がある場合には、最初の講義において説明する)。

1 グローバリズムの行き詰まり?: グローバル資本主義の機能不全について
2 排外主義的ナショナリズムの活況: 保護主義、格差是正、移民排斥をどう考えるか
3 「グローバル経済」と「主権的な国民国家」、その両立について
4 経済のグローバル化とナショナリズムの関係: リベラリズムとナショナリズム
5 近代ナショナリズムの生成と進展: 資本主義との関係から
6 市場経済の発展が惹起したもの: 20世紀初頭の問題状況、新自由主義とその批判
7 「倫理としてのナショナリズム」を考える

 以上に加え、期末試験後にフィードバックを1回実施する。よって、授業回数はフィードバックを含め15回とする。
Evaluation Methods and Policy 学期末におこなう定期試験(80%)、および授業時間内に実施する小課題(小レポート、コメントシートなど、20%)により評価する。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) とくに教科書は指定しないので、講義内で適宜紹介する文献を読んでみることをすすめる。
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