Theory of Urban Space and Architecture

Numbering Code U-LAS05 10010 LJ74 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year All students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Tue.5
Instructor name MAEDA MASAHIRO (Graduate School of Human and Environmental Studies Associate Professor)
Outline and Purpose of the Course 都市空間の成り立ちと都市を支える人々の営みについて講義する。
前半は、計画者(専門家)、生活者(住民、市民)、コミュニティ、環境といった、都市を形づくる様々な立場・視点から都市の成り立ちを理解するための視座について、基礎的な概念や理論を引きながら解説する。また、アクションリサーチを含む、現代の都市空間に求められる多様な主体の参加と協働を引き出すための方法論について紹介する。
後半は、国内外の都市における具体的事例や実践例を引きながら、現代の都市とコミュニティをめぐる先鋭的な課題とそれを乗り越えようとする人々の営みについて紹介する。
Course Goals 都市空間の成り立ちと都市を支える人々の営みに関する基礎的な概念や理論について理解できるようになる。
また、それらの概念・理論が、いかに現実の都市とコミュニティにおける実践の推進に貢献するかを具体的に理解できるようになる。
Schedule and Contents ■都市とコミュニティへの視座
 第1回 イントロダクション
 第2回 計画者の論理
  都市・建築の近代化ともに発展した「計画」概念や計画者の役割について、自然
  発生的都市と人工的都市の対比、近代都市計画への批判的検討等を通じて理解する。
 第3回 生活者の論理
  都市をつくり育てる上で生活者が果たす役割について、L.ルフェーブル「都市へ
  の権利」やS.サッセン「グローバル・シティ」の議論等を引きながら理解する。
 第4回 コミュニティの論理
  都市的なコミュニティの特徴について、コミュニティ概念の起源と変遷、公私領
  域の文化的差異、京都を含む各地の住民自治組織の例をもとに理解する。
 第5回 環境の論理
  人と環境の関係に関する理論(トランザクショナリズム、アフォーダンス、ANT
  等)を紹介し、都市環境の価値付けに関わる認識論について理解する。
 第6回 参加と協働の方法論
  多様な価値が共存することの困難さを説明する理論とともに、まちづくりの現場
  等で多様な主体が参加、協働するための方法論について紹介する。
 第7回 アクションリサーチ
  研究者が実践の現場に飛び込み、現場の当事者とともに協働的実践を展開するこ
  とを志向する方法論であるアクションリサーチについて紹介する。
 第8回 アクションリサーチの設計
  まちづくりの現場におけるアクションリサーチの設計について、アクションリサ
  ーチの前提そのものがもたらす困難を踏まえ、実際の事例をもとに考察する。

■都市とコミュニティの現代的課題
 第9回 リノベーションまちづくり
  ストック型社会への移行にむけて日本でも一般化しつつあるリノベーションの意
  味やまちづくりへの波及について、欧米の事例や住宅団地再生の実例等を通じて
  理解する。
 第10回 空き家対策
  空き家について、都市と地方における問題の性質の違いを理解するとともに、各
  地の具体的な取り組みにみられる対策を紹介する。
 第11回 被災地の住環境再建
  被災地における住環境再建の支援をめぐる非対称性の問題、当事者が能動性を発
  揮する方法について、仮設住宅のコミュニティや集団移転の事例を通じて理解する。
 第12回 格差と社会的包摂
  格差がグローバルに拡大する世界において途上国のスラム、僻地コミュニティが
  置かれる状況を、社会的・経済的貧困を包摂するコミュニティ再生の事例を通じ
  て理解する。
 第13回 儀礼を介した場の創出
  都市における祭礼や儀礼がコミュニティの持続に果たす役割について、京都の地
  蔵盆等を例として考察する。
 第14回 地域自治のリ・デザイン
  縮退期における地域自治の組織やあり方について、住民による地域自治の伝統が
  息づく京都の元学区や町内を題材として考察する。
 第15回 フィードバック
Evaluation Methods and Policy 授業中に課す小レポート(40%)と期末レポート(60%)によって評価する。
Course Requirements 文系・理系を問わず、都市や建築、まちづくりに関心がある学生に受講していただきたい。
Study outside of Class (preparation and review) 予習は必ずしも必要ではないが、授業で配布する資料や紹介した参考文献について復習を行ったり、授業の内容を踏まえて日頃から都市やまちについて考察するなど、自分なりの関心に応じて学びを深めること。
Textbooks Textbooks/References 授業中に資料を配布する。
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