Ecological Anthropology II

Numbering Code U-LAS05 10005 LJ40 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year All students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Tue.2
Instructor name KAZAMA KAZUHIRO (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor)
Outline and Purpose of the Course  人間は原初より、周囲の自然環境から生活の基盤となる物資を調達してきた。人間が生物である以上、この基本的な流れが変わることはない。ただし、食料を含む生産物は、単に生物としての生存維持のためだけに必要なものではない。
 本講義では、人類生態学・文化人類学の成果に着目し、主にオセアニア島嶼部(太平洋熱帯域の島々)における環境と人間の相互関係を考える。まず、オセアニアの島々に至る先史時代の人類移動について概説する。そのうえで、実地調査に基づいた今日の研究成果を提示する。多様な自然条件下における、サゴヤシやイモ類等の生業的食料生産と消費、身体と栄養学的な課題、社会的文脈における多様な意味づけに焦点を当て、民族誌的な個別事例に基づいて解説していく。
Course Goals  生態人類学の基本的な概念や方法論を把握したうえで、オセアニア島嶼部における環境の諸特徴および人々の生活様式を理解する。さらに、環境の中の生産と消費のあり方について理解を深化させることを通じて、人間と環境との関わりについて、自ら分析的に思考する力を養う。
Schedule and Contents 下記の各トピックについて、1~2回の授業を行う。授業回数は総括を含め全15回とする。なお、コロナ禍の状況によっては、オンライン授業を行う可能性もある。

 1.生態人類学の射程
  1-1.環境問題と人新世 
  1-2.個体群と適応概念
   
 2.太平洋島嶼部の人間居住
  2-1.島嶼世界の自然環境
  2-2.オセアニアへの人類の移動
  2-3.リモート・オセアニアへの拡散 
  2-4.資源搾取と環境劣化 

 3.食物獲得と人間身体
  3-1.オセアニアにおける生業経済
  3-2.メラネシアにおけるサゴ澱粉
  3-3.メラネシアにおけるイモ生産
  3-4.栄養と身体 

 4.環境のなかの人間存在
  4-1.環境改変と人間
  4-2.環境難民
  4-3.人間の未来と環境
Evaluation Methods and Policy  平常点(授業中に課す小レポート30%)と小試験(70%)による。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review)  授業中に提示した、生態人類学に関連する文献を読んで理解を深める。
 受動的に授業を受けるのではなく、自ら思考する姿勢が求められる。
References, etc. オセアニアで学ぶ人類学, 梅崎昌裕・風間計博(編), (昭和堂 2020年), ISBN:978-4-8122-2005-4
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