Anthropology of Religion
Numbering Code | U-LAS05 20003 LJ40 | Year/Term | 2022 ・ First semester |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture |
Target Year | All students | Target Student | For all majors |
Language | Japanese | Day/Period | Wed.2 |
Instructor name | Iwatani Ayako (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor) | ||
Outline and Purpose of the Course |
本講義の目的は、社会に流通している言説としての「宗教」や遠い国の異文化とみなされている「宗教」が、受講生の日常的な体験と同じ水脈を有していることに気づくことである。本講義を通して見えてくるのは、「宗教とは何であったのか」ではなく、わたしたちの日々の生活のなかですれ違っているさまざまな宗教の契機であり、「他者」そして「わたし」「わたしたち」の臨界点である。本講義では、基本的な宗教理論を学ぶとともに、インドをはじめとする異なる地域の宗教実践の事例や、改宗や原理主義の伸張、メディア報道といった現代の宗教をとりまく課題について、人類学的に考究する。信仰の世界がもつ豊かさや闇を知ることは、人間の被傷性と創造性に触れることでもある。また本講義では、宗教とそこに連なる他者をカテゴリーやステレオタイプに封じ込める力のはたらきについて、批判的にとらえることを目指したい。 |
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Course Goals |
宗教を人類に共通する営みとして、さらには私たちの日常生活に潜在する実践としてとらえることで、宗教についての認識を深めることができる。 宗教間の相違が歴史的に発現し、社会環境と密接にかかわっていることを理解することで、宗教、社会、自己と他者についての深い洞察を得ることができる。 |
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Schedule and Contents |
1.人間と聖なるもの 2.宗教の起源 3.アニミズムの世界 4.呪術の世界 5.憑依と儀礼 6.芸能と宗教 7.夢見と宗教 8.生と死―身体の境界域 9.ジェンダーと宗教 10.多神教と一神教 11.改宗とはなにか 12.宗教原理主義と現代 13.宗教とメディア 14.映像の宗教性 ≪期末試験≫ 15.フィードバック |
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Evaluation Methods and Policy | レポート・授業内での報告(40%)、期末試験(60%)を総合して評価する | ||
Course Requirements | 人類学関連の講義を受講していることが望ましい | ||
Study outside of Class (preparation and review) | 講義の中で紹介する参考書にはできるだけ目を通しておくこと。 | ||
References, etc. |
映像にやどる宗教、宗教をうつす映像, 新井一寛、岩谷彩子、葛西 賢太(編) , (せりか書房) 宗教の系譜―キリスト教とイスラムにおける権力の根拠と訓練, アサド、タラル, (岩波書店) 夢とミメーシスの人類学―インドを生き抜く商業移動民ヴァギリ, 岩谷彩子, (明石書店) イスラム報道, サイード.E.W., (みすず書房) 虹の理論, 中沢新一, (新潮社) 宗教の理論, バタイユ、ジョルジュ, (人文書院) 社会学と人類学, モース、M., (弘文堂) 日常生活の中の聖なるもの, レリス、ミシェル, (思潮社) |