ILAS Seminar :Social Anthropological Research
Numbering Code | U-LAS70 10001 SJ50 | Year/Term | 2022 ・ First semester | |
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Number of Credits | 2 | Course Type | seminar | |
Target Year | 1st year students | Target Student | For all majors | |
Language | Japanese | Day/Period | Thu.2 | |
Instructor name | Iwatani Ayako (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor) | |||
Outline and Purpose of the Course | グローバル資本主義の進展により、人間も非人間もすべてが土地から引き離され、貨幣と交換可能な資本に置き換えられ、グローバルな流通を余儀なくされている。均質化していく世界のなかで、不確実な足場しか与えられていない私たちは、いかに異なる動植物と共生する未来を描いていけるのだろうか。本講義ではこの問いに対して、複数種の生の絡まりあいから世界を描く、近年のマルチスピーシーズ人類学の代表的な著作、『マツタケ―不確定な時代を生きる術』(アナ・チン、2019年)を精読しながら考察する。日本人にも身近な菌類であるマツタケをアクターとして、広範な地理空間に及ぶマツタケをめぐる資本と権力のネットワークと人々の応答を通して、現在、そして未来の人類のあり方を省察する。 | |||
Course Goals |
・人間中心主義的な世界観を批判的にとらえ、動物や植物、もの、情報を含む環境の中で、人も動物も植物も生成している点を理解する。 ・資本主義社会におけるマルチスピーシーズ的思考の意義について考察できるようになる。 |
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Schedule and Contents |
人間と非人間との関係を考察する文化人類学的文献を購読する。以下、( )内は輪読する教科書『マツタケ―不確定な時代を生きる術』の章のタイトルである。 第1回 講義と講師の紹介 第2回~第3回 人新世に起きている世界変動 (第1部 残されたもの 気づく術、染めあう、スケールにまつわる諸問題 幕間:かおり) 第4回~第8回 マツタケをめぐるグローバル・エコノミー (第2部 進歩にかわって 周縁を活かす オレゴン州オープンチケット村 戦争譚 国家におこったこと ドルと円のはざま 贈り物・商品・贈り物 サルベージ・リズム―攪乱下のビジネス 幕間:たどる) 第9回~第12回 マツタケを生む攪乱 (第3部 攪乱―意図しえぬ設計 森のいぶき 歴史 蘇生 セレンディピティ 残骸 科学と翻訳 飛びまわる胞子 幕間:ダンス) 第13回~第14回 潜在的コモンズ (第4部 事態のまっただなかで まつたけ十字軍 みんなのもの 結末に抗って 胞子のゆくえ) 第15回 フィードバック |
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Evaluation Methods and Policy | 授業への出席が前提となる。講義内での受講生の報告(60%)、ディスカッションへの参加状況(40%)で評価する。 | |||
Course Requirements | 他の人類学に関する講義を同時に受講していることが望ましい。 | |||
Study outside of Class (preparation and review) |
講義で提起された問いを、関連文献の講読によって深めることが求められる。 授業の進度によっては、映像資料の鑑賞、フィールド演習も実施する。 |
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Textbooks | Textbooks/References | マツタケー不確定な時代を生きる術, アナ・チン, (みすず書房、2019年) |