Introductory Seminar on Sociology II

Numbering Code U-LAS04 20037 SJ45 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type seminar
Target Year All students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Tue.3
Instructor name YOSHIDA JIYUN (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor)
Outline and Purpose of the Course A.ギデンズ『モダニティと自己アイデンティティ』を読む

社会学は「近代市民社会の自己認識」の学として形成された。それゆえに、社会学理論の多くには、とりわけ西欧近代の社会観や人間観が色濃く反映されている。グローバル化・個人化が進展した21世紀の現代社会を理論的に捉えるためには、そうした従来の西欧近代的な社会学理論を相対化し再構築していく必要性が指摘される。

現代イギリスの社会学者アンソニー・ギデンズは、そのような背景認識のうえに、新たな社会学理論を構築している代表的な社会学者のひとりである。教科書として取り上げるこの著作は、グローバル化によるマクロな社会構造の変動と、ミクロな個人のアイデンティティの変容の問題とを統一的に捉える理論的視野を提示しているのが大きな特徴である。

このゼミでは、この著作を精読し討論を重ねることを通じて、現代社会とそこに生きる個人との関係を、社会学理論の枠組みによって理解する方法を学ぶ。またそのことを通して、文理・専門・将来の進路の違いを問わず、21世紀を生きる市民として、自己と社会との関係を明視する知性、すなわち本来の意味での〈教養〉を獲得することをめざす。
Course Goals ギデンズの社会学理論について批判的・学問的に思考することを通して、自らがその一員である現代社会を、先入観や日常的常識を超えた角度から認識・考察する態度を習得し、その成果を最終的にはレポート(小論文)として集成する。
Schedule and Contents 授業初回はオリエンテーションをおこない、第2回目から、下記の順でテキストの内容を読み進める。 毎回、担当者がテキストの担当範囲のレジュメを作成・報告し、それに基づいて質疑応答・討論をおこなう。分担は、初回オリエンテーション時に、履修者個々人の希望を考慮して決定する。

1 オリエンテーション (報告日程の調整等)
2 イントロダクション (教員による模擬報告)
3 第1章 ハイ・モダニティの輪郭
4 第2章 自己:存在論的安心と実存的不安 (1)
5 第2章 自己:存在論的安心と実存的不安 (2)
6 第3章 自己の軌跡 (1)
7 第3章 自己の軌跡 (2)
8 第4章 宿命、リスク、安心 (1)
9 第4章 宿命、リスク、安心 (2)
10 第5章 経験の隔離 (1)
11 第5章 経験の隔離 (2)
12 第6章 自己の苦難
13 第7章 ライフ・ポリティクスの登場
14 解題 新しい思考の道具箱/文庫版解題 30年後の答え合わせ
15 フィードバック (PandA上で実施)
Evaluation Methods and Policy (1)担当報告の内容およびゼミへの参加状況を中心とする平常点(60点満点)
(2)学期末のレポート(40点満点)
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 報告担当者以外も、毎週、次回の範囲を精読し、予習しておくこと。また、授業終了後、当日の担当者の報告や質疑応答を踏まえて、テキストのその回の内容を復習しておくこと。
Textbooks Textbooks/References モダニティと自己アイデンティティ 後期近代における自己と社会, アンソニー・ギデンズ, (ちくま学芸文庫、2021), ISBN:448051063X
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