Pedagogy II

Numbering Code U-LAS04 10003 LJ47 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year All students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Thu.3/Fri.3
Instructor name KURAISHI ICHIROU (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor)
Outline and Purpose of the Course 現代社会は多元社会、すなわち価値観の複数性を特徴とすると言われる。そのなかで公教育が、人種・エスニシティ・ジェンダー・セクシュアリティ、障害の有無等の差異や多様性にどのように応えていくかが問われている。この授業では、公教育における差異・多様性の問題が常に先鋭的に問われ、模索を繰り返してきた20世紀のアメリカ合衆国の動向を中心に取り上げていく。アメリカではマイノリティ当事者の社会運動が公教育の公正性を厳しく問い、数々の壁を打ち砕いて扉をこじ開けてきた歴史がある。この講義では、ハイスクールを舞台に、その中心的役割を果たしてきた黒人(アフリカ系アメリカ人)の動向を主に扱う。こうしたことを通じて、多元社会における公教育の意義と役割について認識を深め、あわせて世界のマイノリティ教育の動向について基礎的素養を得ることを目的とする。
Course Goals 公教育の多元性を議論する際の主要な概念、すなわち平等・公正・多元性・多文化主義、包摂といった概念を理解し、日本や欧米における主要なマイノリティ問題について教育学の視点から統一された理解と見識を持てるようにする。
Schedule and Contents 1.オリエンテーション:教育の場を同じくする・別にすることを考える
2.公正の視点からの米国学校改革の到達点:アフリカ中心主義と多文化教育
3.南北戦争以前の黒人教育:奴隷への「読み書き禁止令」と自由黒人の状況
4.奴隷制の過酷さを観る:映画『それでも夜は明ける』から
5.リコンストラクション期南部の黒人教育(解放民教育)
6.職業教育か普通教育か?人種隔離期ビッグ2(デュボイスVSワシントン)比較
7.なぜ黒人ハイスクールの普及は遅れ、発展は阻害されていたのか
8.認証評価と教師の貢献:「よい黒人ハイスクール」の背景
9.すべての終わり/始まりとしてのブラウン判決Brown v. Board of Education
10.ブラウン判決文の精査とその後の展開
11.ハンナ・アレントによる公民権運動・人種統合教育批判
12. 初の全米学力調査=コールマン・レポートとは何か
13.現代版ビッグ2の教育思想比較:キング牧師VSマルコムX
14.黒人父子の世代間断絶と和解:映画『大統領の執事の涙』から
15. 定期試験
16.フィードバック
Evaluation Methods and Policy 期末のレポート試験85%、平常点15%によって評価する。
レポート試験は、講義の内容を踏まえ、マイノリティ教育の意義と動向を学習することで、そうした問題に対する主体的な態度がどこまで形成されるに至ったかを主要観点に評価を行う。
平常点は毎回の授業時のコメントシート提出によって評価する。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 毎回講義で扱ったテキストの該当箇所をよく読み返すとともに、翌週に扱う予定のページをしっかり読み込んで講義にのぞむこと。
Textbooks Textbooks/References 黒人ハイスクールの歴史社会学:アフリカ系アメリカ人の闘い1940-1980, ジョン・ルーリー/シェリー・ヒル(倉石一郎他訳), (昭和堂), ISBN:978-4812215562
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