Japanese Philology and Literature II
Numbering Code | U-LAS02 10008 LJ36 | Year/Term | 2022 ・ Second semester | |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture | |
Target Year | All students | Target Student | For all majors | |
Language | Japanese | Day/Period | Tue.5 | |
Instructor name | SANO HIROSHI (Institute for Liberal Arts and Sciences Professor) | |||
Outline and Purpose of the Course |
日本文学における代表的な古典から、とくに萬葉集を講読する。萬葉集全二十巻を巻毎に取り上げつつ、和歌を抄出して講読する。各巻の概要や部立てのあり方、歌学における萬葉歌の享受史に触れながら、日本古典研究の基礎的な知識の習得を目的とする。ゆったりと萬葉歌の鑑賞を行う予定である。 なお、今期は巻13および巻14に関説して、防人歌を中心に取り上げる。「防人は還ったか」という問いのもとに、防人歌が挽歌の変容として位置づけられるかを検討する。そして、巻15の遣新羅使らの歌群、中臣宅守と娘子の在り方が、生別と死別の境界にどのように位置づけられるかを考える。 |
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Course Goals | 萬葉歌について一般的な解釈を踏まえつつ、自らの審美眼で作品を鑑賞できるようになることを目的とする。 | |||
Schedule and Contents |
1 万葉集について 2 万葉集の諸本について 3 万葉集の注釈書類概説 4 万葉集の研究史概説 中世まで 5 万葉集の研究史概説 近世以降 6 万葉集各巻の概説 7 万葉集を読む1 巻十五を中心に修辞技法について概説しつつ講読する。 8 万葉集を読む2 巻十五を中心に修辞技法について概説しつつ講読する。 9 万葉集を読む3 巻十五を中心に修辞技法について概説しつつ講読する。 10 万葉集を読む4 巻十五を中心に修辞技法について概説しつつ講読する。 ※巻15・3644~3658を講読するが、3659以降については「月」の扱いも含めて周辺の関連資料を講読することがある。 11 万葉集を読む5 遣新羅使人歌群の構造について考える(素材の対応Ⅰ)。 12 万葉集を読む6 遣新羅使人歌群の構造について考える(主題の対応Ⅰ) 13 万葉集を読む7 主題の重ねあわせと本歌取りの淵源について 14 万葉集を読む8 「歌群論」の諸問題再説。確認試験。 15 フィードバック ※レポート試験は、事前に課題を与えるので、その課題について講義内容を踏まえて自ら調査分析をし、レポートにまとめておくことを求めます。 詳細は講義中に指示をします。また、上記の7~10間で小テストを行います。 |
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Evaluation Methods and Policy | 講義期間の最終日に基礎的な事項の確認試験を行う(60%)。時折、講義中に小テストを行うほか、授業への積極的な参加度(40%)を総合的に加味して評価する。 | |||
Course Requirements | None | |||
Study outside of Class (preparation and review) | プリントを配付するので、次回分については注釈書類を用いて通釈を読んでおくこと。その場合、新編日本古典文学全集、新日本古典文学大系、岩波文庫本の三種類の通釈(現代語訳)を比べて、どこが異なるかを確認しておくとよい。 | |||
Textbooks | Textbooks/References |
新校注 萬葉集, 井手至、毛利正守, (和泉書院) 萬葉事始, 坂本信幸、毛利正守, (和泉書院), ISBN:978-4-87088-728-2 上記テキストを持参しているものとして講義を行う。 |
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References, etc. |
萬葉の知, 内田賢徳, (塙書房), ISBN:978-4827335941
『萬葉の知』はとくに巻13と記紀歌謡、挽歌と相聞の質的な関係を考える上で示唆に富む。なお『セミナー万葉の歌人と作品』(和泉書院)のシリーズのうち、講義で該当する箇所を予め通読しておくことが望ましい。 |