Theory of Arts I

Numbering Code U-LAS02 10001 LJ35 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year All students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Mon.3
Instructor name KITAMURA AKARI (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course テーマ:芸術批評の視座と美術史学の方法論
芸術あるいは美術をめぐり人間は何をどのように語ってきたのか? 古代から中世、初期近代ヨーロッパの人々はいかなる美術批評をおこない、また、どのようにして近代的な「芸術」概念を生成していったのか? さらに、近代美学とともに美術史学はどのような方法論をもって展開してきたのか? このような視点から、いわば「芸術の語り方」の変遷とその蓄積を概観する。また、「感性」とは何か、知覚や認識とは何かを再考し、社会学・精神分析・文化人類学などと関わる学際的な分析批評の視座を探り、美術・芸術に対する理解を深める。
Course Goals 芸術批評の歴史とそのスキルを素直に再考し、美的感性と批判的思考力を高めることが出来る。芸術作品の特質を主体的・分析的にとらえて説明記述や批判検討をすすめ、解釈評価をはかる方法について学ぶことにより、グローバリゼーションと多元的文化理解の時代に対し、より良く対応できるようになる。
Schedule and Contents (授業計画と内容) 
Ⅰ.美術史学の方法と課題【第1~3回】
  1. 「様式論」とフォルマリズム美術史
  2. E・パノフスクー「イコノロジー研究」とそれ以降(1)
  3. 同上(2)
Ⅱ.古代 【第4~6回】
  4. 古代ギリシアの感覚論とミメーシス論
  5. 詩と絵画:芸術的霊感をめぐる諸問題
  6. プリニウス『博物誌』とポンペイ壁画
Ⅲ. 中世【第7~11回】
  7. イコノクラスム(聖像破壊)とイコン(聖画像)
  8. 教会と画像の機能
  9. 聖堂建築とスコラ神学にみる「光の形而上学」
  10.「象徴」の諸問題
  11. 職人と芸術家:画家ジオットの名声
Ⅳ. 初期近代【第12~14回】
  12. L・B・アルベルティ『絵画論』と「幾何学遠近法」をめぐる言説
  13. G・ヴァザーリ『列伝』にみる芸術論と「芸術家の生涯伝」というスキーム
  14. 美術アカデミーと「歴史画」
  15. フィードバック(まとめと補足「社会と芸術」)
Evaluation Methods and Policy 定期試験(レポート提出)を課す
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 講義内容を参考にしつつ、興味関心のある芸術作品あるいは美術作例を1点、自由に選択し、当該作例についてどのような情報があるのか、美術書や専門書にいかなる分析や解釈があり批評や研究が形作られているのか、自主的に資料を収集し通読することにより、レポート作成の準備を少しずつ進めること。なお、芸術作品・美術作例の選択については時代・地域・形式やメディウム(絵画/彫刻/建築/工芸/デザイン/民族美術/写真・映像・映画/パフォーマンス・アート/インスタレーションその他)を問わないが、視覚性を伴うものを選ぶこと。
Textbooks Textbooks/References テクスト文献やレジュメなど、必要に応じて随時プリントを配布する。
References, etc. 象徴(シンボル)形式”としての遠近法, E・パノフスキー, (ちくま学芸文庫), ISBN: 978-4480091680 , 古き良き古典。パノフスキーの他の名著は授業で紹介する。
ルネサンス絵画の社会史, M・バクサンドール, (平凡社), ISBN:978-4582238150, 15世紀イタリア、初期ルネサンス時代の美術批評の語彙とまなざしを教えてくれる。
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