Introductory Seminar on European Social History IIB

Numbering Code U-LAS01 20021 SJ38 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type seminar
Target Year All students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Wed.2
Instructor name SATO HITOMI (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course  本ゼミナールでは、歴史学の重要な古典的研究書とともに、それを乗り越えてきた研究も精読し、多角的な視点から研究と向き合うことを学びます。併せてヨーロッパ前近代史研究に関する基本的な事項と、史料研究についての基礎的な知識を学びます。今回取り上げる文献はチャールズ・H・ハスキンズ『十二世紀のルネサンス』(別宮貞徳・朝倉文市訳)と伊東俊太郎『十二世紀ルネサンス』です。
 研究は新しい研究によって必ず乗り越えられてゆくものですが、研究書の中には乗り越えられて一層輝きを増す古典的名著があります。学説そのものは批判され、修正されても、時代時代に既存の歴史認識を大きく変えた研究には、広い視野と大きな問題意識、研ぎ澄まされた思考力、革新的方法、そして情熱があります。それは、常識に縛られず新しい研究を生み出すとはどういう事かを、自らの限界そのものによって読む人に示し続けてくれます。
 未来は来し方を知る者の手にあります。乗り越えるべき対象と対話し、自らの歴史=血肉とした人には、必ず新たな、自分自身の学問を生み出す力が宿るでしょう。この古典再訪ゼミがその小さな一歩になれば幸いです。
Course Goals 1.ヨーロッパ前近代史に関する研究書を日本語で精読し理解する力を身に着ける。
2.専門研究文献の理解に基づいた議論を行い、適切な説明や問題提起を行うことができる。
3.精読する文献に関連するヨーロッパ前近代史の基本的事項を理解する。
4.ヨーロッパ前近代史研究に用いられる史資料に関する初歩的な知識を身に着ける。
Schedule and Contents 1.イントロダクション
 授業の進め方の確認
取り上げる文献の概要と関連事項についての導入的説明
 報告担当の分担
 文献・資料の検索と収集の仕方案内

第2回~第7回 チャールズ・H・ハスキンズ『十二世紀のルネサンス』を読む
2.第1章 歴史的背景・第2章 知的中心地
3.第3章 書物と書庫・第4章 ラテン語古典の復活
4.第5章 ラテン語・第6章 ラテン語の詩
5.第7章 法学の復活・第8章 歴史の著述
6.第9章 ギリシア語・アラビア語からの翻訳・第10章 科学の復興
7.第11章 哲学の復興・第12章 大学の起源

第8回~第14回 伊東俊太郎『十二世紀ルネサンス』を読む
8.第1講 十二世紀ルネサンスとは何か
9.第2講 十二世紀ルネサンスのルートと担い手
10.第3講 シャルトル学派の自然学
11. 第4講 シリア・ヘレニズムとアラビア・ルネサンス
12. 第5講 アラビアから西欧へ
13. 第6講 シチリアにおける科学ルネサンス
14. 第7講 ロマンティック・ラブの成立
  及び全体のまとめ
15. フィードバック
Evaluation Methods and Policy  平常点で評価します。報告と討論への参加と小レポートの内容に基づき、上記到達目標を踏まえて総合的に評価します。
Course Requirements  高校で世界史を履修していることが望ましい。履修していない場合には、ヨーロッパ前近代史に関して高校世界史を履修した場合と同等の基礎的知識を持っている、もしくは自ら適宜修得する意志があること。






Study outside of Class (preparation and review)  文献の予習は必須です。参加者は全員が毎回の章を事前に読み込んで臨んでもらいますが、報告担当者は特に十分な時間をとって準備しレジュメ等の資料を作成してください。また随時紹介・配布する資料や文献にも目を通しておくことが望ましいでしょう。
Textbooks Textbooks/References 十二世紀のルネサンス―ヨーロッパの目覚め, チャールズ・H・ハスキンズ著、別宮貞徳・朝倉文市訳, (講談社(講談社学術文庫),2017年), ISBN:978-4-06-292444-3
十二世紀ルネサンス, 伊東俊太郎, (講談社(講談社学術文庫),2006年)
References, etc.  教科書としては別宮貞徳・朝倉文市訳『十二世紀のルネサンス―ヨーロッパの目覚め』(講談社学術文庫)を用いますが、ハスキンズの同書には野口洋二訳『十二世紀ルネサンス』(創文社、1985年)もあります。こちらも適宜参照するとよいでしょう。

 その他の参考文献は授業中に随時指示します。
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