Western History I
Numbering Code | U-LAS01 10007 LJ38 | Year/Term | 2022 ・ First semester | |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture | |
Target Year | All students | Target Student | For all majors | |
Language | Japanese | Day/Period | Tue.5 | |
Instructor name | SASAKI HIROMITU (Part-time Lecturer) | |||
Outline and Purpose of the Course |
【新西洋事情】 福沢諭吉は彼の『西洋事情』で、西洋を模範とした国づくりを進めるために「歴史を読むに若くものなし」といった。爾来わが国の研究者は西洋の歴史書の消化に努めた。しかしこれが仇になった。西洋人が体裁を繕うために自国の歴史を書いていたとしたら、どうなるだろう。歴史書の行間を読む繊細な能力を身につけ、歴史書とは異なる西洋の実像を理解できるようにする。日本が西洋の実情をどのように読み違えてきたのかを具体的に説明する。特に誤解の影響が甚大であった教育、経済、社会保障、人的交流、組織原理について詳述する。正しく理解された西洋は、今後わが国が社会の持続という課題と取り組むときに、優れた参照系を提供してくれるはずである。この意味で明治維新に福沢の西洋事情が必要であったように、いま新西洋事情にアクセスすることが急務である。西洋を見る目線の高さを調整し、世界情勢を正しく認識する。そしてそこへの日本の関りについて一定のヴィジョンがもてるようになることを目指す。10年、20年先を見据え、今後西洋史の分野で有望になりそうな研究テーマを実際にいくつか定立する。課題設定能力を身につけることを目指す。 |
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Course Goals |
1.ウェーバー、フーコー、ハーバーマスといった、日本でもなじみ深い西洋の学者の所論が説明できる。 2.彼らの議論が実際の西洋の姿とどれぐらい隔たるかを証拠立てて説明できる。 3.単なる西洋の受け売りではない、世界情勢に関する一定のヴィジョンをもてるようになる。 4.西洋史の分野で有望な研究課題を設定できるようになる。 |
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Schedule and Contents |
第 1回 なぜ新西洋事情なのか 第 2回 議論・饒舌と沈黙・寡黙 第 3回 実話・歴史と粉飾・体裁 第 4回 自由・平等・博愛ー1789年の理念の真相 第 5回 ボトムアップとトップダウン 第 6回 民主主義とボス支配 第 7回 留学の損得 第 8回 資格社会の虚実 第 9回 グローバリズムの虚実 第10回 資本主義と贈与主義、あるいは実力主義と縁故主義 第11回 企業社会と財団社会 第12回 民主的な教育とエリート教育 第13回 エリート教育の真髄 第14回 陶冶の真髄、究活の勧め 試験 第15回 フィードバック (方法は別途連絡) |
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Evaluation Methods and Policy |
定期試験(論述) 80% 平常点 20% 平常点は授業への参加度で判断します。 |
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Course Requirements | None | |||
Study outside of Class (preparation and review) | 予習、復習については、講義中に紹介する邦語・邦訳文献を適宜併せ読むことを推奨します。それ以外については、各回の授業の折に適宜指示します。 | |||
Textbooks | Textbooks/References |
マックス・ヴェーバーに構造的欠陥はあるのかー論破しがたいテーゼー, ハインツ・シュタイナート, (ミネルヴァ書房、2021年)
適宜、資料を配布します。 |
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References, etc. | 参考書等については適宜使い方も指示します。 |