Oriental History II
Numbering Code | U-LAS01 10006 LJ38 | Year/Term | 2022 ・ Second semester | |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture | |
Target Year | All students | Target Student | For all majors | |
Language | Japanese | Day/Period | Fri.5 | |
Instructor name | JOCHI TAKASHI (Part-time Lecturer) | |||
Outline and Purpose of the Course |
黎貴惇『北使通録』を読む―清代ベトナム朝貢の具体像― ここ二十年ほどのあいだに東アジアの国際関係をめぐる研究は大きな進展をとげました。明清時代(1368~/~1911)の中国が周辺諸国と関係を取り結ぶ際の制度であった朝貢についても、新たな史実の発掘とともに、それらを包括するような構造的な理解をめざす方向へと研究が展開しつつあります。 そうしたなか、15世紀以降、中国への朝貢を続けたベトナムにおいて、朝貢を行うにあたって具体的にいかなる動きがあったかということについては、必ずしも十分に問われてきたわけではありません。 ベトナム黎朝(1428-1527・1533-1798)後期随一の文人とも言われる黎貴惇(1726-1784)は、副使として参加した1761年の朝貢にかかわる記録を『北使通録』としてまとめました。この書物には、朝貢に関連する黎朝側の行政文書を多数抄録するなど、他書にはないきわめて高い史料的価値を認めることができます。 この講義では『北使通録』の具体的な記述を読み解きながら、清代ベトナム朝貢をめぐる諸相を具体的に検討していきます。 |
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Course Goals |
中国と周辺諸国との関係史に関する理解を深めるとともに、みずからとは異なる歴史・社会・文化について考える視座を養うこと。 史料にもとづいて議論を構築する歴史学の視座・手法を学ぶこと。 |
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Schedule and Contents |
1. 黎貴惇『北使通録』とその時代(第1回~第4回) (1) 黎貴惇とその時代 (2) 明清中国の朝貢 (3) 『北使通録』という書物 2. 使節出発までの準備(第5回~第7回) (1) 行き交う文書 (2) 越清境界地帯での折衝 3. 使節派遣にかかる負担(第8回~第11回) (1) 負担の総額 (2) 使節の旅支度 (3) 荷物運搬の負担 4. 中国国内での移動・活動(第12回~第14回) (1) 旅程の遅延 (2) 使節の任務①―文廟視察をめぐって― (3) 使節の任務②―書籍の購入― まとめ(第15回) |
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Evaluation Methods and Policy |
平常点評価(50%):毎回,講義の最後にコメントペーパーを記入・提出してもらい,その内容を評価対象とします。 期末試験(50%):筆記試験を行います。講義でふれた知識および講義内容をふまえた各自の考察度を問う論述問題を出す予定です。 詳細は初回の講義の際に説明します。 |
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Course Requirements | None | |||
Study outside of Class (preparation and review) | 配布資料に記載する形で参考文献を紹介します。講義の前提となる基礎事項を知りたい,あるいは講義内容についてより突っ込んで勉強したいという場合には,さしあたりそれらを手がかりに勉強を進めてください。 | |||
Textbooks | Textbooks/References | 資料を配付します。 |