Ethics I

Numbering Code U-LAS00 10003 LJ34 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year All students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Mon.5
Instructor name SHIROUZU SHIROU (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course 道徳とは何か。幸福とは何か。自由とは何か。なぜ他人のことを気にかけなければならないのか。個人と社会の関係はどうあるべきなのか。そもそも正しい生き方とは何か。こういった疑問に対して哲学的に考察を深めてもらうことを意図した、倫理学への入門講義。
できるだけ身近なテーマや時事問題、映像資料等から説き起こして、代表的な倫理理論の概要を解説していく。ギリシャ哲学から現代の倫理学・政治哲学まで視野に入れるが、時代順の思想史の紹介ではなく、テーマごとに哲学者たちがどのように問題を捉え論争を行ったか、に重点を置く。
Course Goals 功利主義や義務論、リベラリズムとリバタリアニズムといった代表的な理論・思想の概要を習得した上で、「現代において良く生きる」とはどういうことかについて、哲学的に考える視座と習慣を身につける。
Schedule and Contents 第1回 倫理学への導入:道徳的ジレンマから考える
代表的な道徳的ジレンマの思考実験から、功利主義と義務論の対立を例に挙げて倫理的に考えることを学ぶ。

第2・3回 功利主義をめぐって
ベンサム、ミルに代表される功利主義の主張を、それに対する様々な反論と再反論を見ていきながら理解を深める。

第4・5回 義務論をめぐって
カントに代表される義務論の思想を、死刑や自殺・安楽死の是非といった具体的論点に即して理解する。

第6・7回 動物の解放をめぐって
現代功利主義の代表的論者 P. シンガーの「動物解放論」と、それをめぐる論争を詳細に検討する。

第8回 文化相対主義をめぐって
そもそも道徳は時代や社会、個々人の価値観によって異なるのか、それとも客観的な基準や基盤はあるのか。具体的事例に即して様々な哲学者からの回答を学ぶ。

第9・10回 自由をめぐって
ミルの「自由論」に即して、なぜ、そしてどの範囲で自由は認められるべきなのかについて考察し、現代におけるリベラリズムとリバタリアニズ(自由至上主義)の対立の要点を学ぶ。

第11・12回 個人と社会の関係をめぐって
ホッブズやロック、ルソーらの社会契約説の概要を学んだ上で、現代のコミュニタリアニズム(共同体主義)の問題提起について理解を深める。

第13・14回 幸福をめぐって:まとめと補遺
プラトンやアリストテレスら古代ギリシャの思想家から、ここまで扱った近現代の哲学者たちの幸福についての思想を紹介しながら、道徳と幸福、利己と利他は対立するのか両立するのか、という問題について考えを深める。
またケア倫理、フェミニズム倫理や倫理学における「文脈主義」など、現代における新しい倫理学の潮流についても概要を紹介する。

<期末試験>

第15回 フィードバック(試験の解説)
※詳細については第14回の授業日に指示する。
Evaluation Methods and Policy 期末試験を90%、授業内で数回提出を求める小レポートを10%、という割合で成績評価を行う。なお期末試験は【参照物不可】とする予定だが、詳細については第14回の授業内で指示する。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 各自の関心に応じてできる範囲で、授業内で提示する参考文献を読んで理解を深めることを推奨する。
Textbooks Textbooks/References 講義各回で授業概要(プリント)を配布する。
References, etc. 現実をみつめる道徳哲学―安楽死からフェミニズムまで, ジェームズ・レイチェルズ, (晃洋書房), ISBN:9784771014398
これからの「正義」の話をしよう, マイケル・サンデル, (ハヤカワ・ノンフィクション文庫), ISBN:9784150503765
功利主義入門―はじめての倫理学, 児玉 聡, (ちくま新書), ISBN:9784480066718
実践の倫理, ピーター・シンガー, (昭和堂), ISBN:9784812299296
他、適宜授業内で指示する。
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