Philosophy I

Numbering Code U-LAS00 10001 LJ34 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year All students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Mon.1
Instructor name MATSUE KEISHI (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course  
 哲学における重大な問題の一つである「懐疑論」をテーマにして、われわれは何をどのような仕方で正しく認識できるのか・知ることができるのかについて学んでいく。
 
 「哲学」のもともとの意味合いは、「知を愛すること」である。人間にとっての「知識」「知恵」がどのようなものであるのか、あるいはどのような仕方でそれらをわれわれは手に入れることができるのか、は哲学における大きな問題の一つである。どのような分野であれ、何らかの学問をやっていく上でこの問題は避けて通れないものである。このような問題系は一般には認識論・知識論と呼ばれている。
 
 この授業ではこの認識論・知識論という問題について、「懐疑論」というものを手掛かりに考察を深めてゆきたい。物事を正しく捉えようとするときに、様々な側面からその対象を疑うという作業は必須のものであろう。哲学における「懐疑論」はその「疑う」という作業を徹底的に行ってみたらどうなるか、が中心テーマとなる。
 
 加えてそれらの議論を踏まえた上で、自然科学的な知識はどのような仕方で正当化されるのかについても考察する。今回は特に現代科学の直接的な源流である17世紀の自然科学について論じる。
Course Goals  
 「懐疑論」「知識論」についての様々な議論を学ぶことによって、ものごとに対する様々な見方を身に着け、いろいろな事柄についてより深く考察することができるようになる。
Schedule and Contents  
 以下のようなスケジュールで講義を行っていく。成績評価項目にある小テストについては、実施後の講義でその都度フィードバックを行うし、期末試験についてもフィードバックとしてコメントを行う。

第01回 講義全体の趣旨・概要と成績評価などについて説明。
    講義の導入としてソクラテスの哲学を紹介する。

第02回 ソクラテスの哲学の続き。 

第03回 懐疑論とはそもそも何か? およびストア主義の思想。

第04回 古代懐疑主義の思想。
    ピュロン、アルケシラオス、アイネシデモス、アグリッパなど。

第05回 モンテーニュにおけるピュロン主義、およびデカルト思想の全体像。

第06回 デカルトの方法的懐疑その①。

第07回 デカルトの方法的懐疑その②。 

第08回 懐疑論に抗してその①―セラーズの思索をヒントに―。

第09回 懐疑論に抗してその②―ウィトゲンシュタインの思索をヒントに―。

第10回 自然科学的知識はどのように正当化されるのか?その①
    ―デカルトの自然学①―。

第11回 自然科学的知識はどのように正当化されるのか?その②
    ―デカルトの自然学②およびデカルトにおける「心身問題」①―。

第12回 自然科学的知識はどのように正当化されるのか?その③
    ―デカルトにおける「心身問題」②―  

第13回 自然科学的知識はどのように正当化されるのか?その④
     ―デカルトの自然学とニュートン物理学、
     および近代における自然科学と形而上学との関係―。  

第14回 自然科学的知識はどのように正当化されるのか?その⑤
    ―近代における自然科学の方法論(帰納法)―。

 期末試験

第15回 フィードバック(期末試験についてのコメント)
Evaluation Methods and Policy  
 期末試験60%、小テスト40%。期末試験を60点満点、授業中に不定期に行う計4回の小テスト(1回につき10点)を40点満点とし、合わせて100点満点として評価する。
 
 毎回出席することは前提とし、小テストは授業中に不定期に行う。小テストはその場で配布物やノートを見ながら解答して構わない。

 期末試験はテーマを事前に与えて記述する形式のもの。講義内容をきちんと理解し自分の頭で整理できているかどうかを問うので、持ち込みは不可とする。期末試験のテーマなどについては試験日の一ヶ月以上前に講義中に通知する。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review)  
 【予習】については特に必要ないが、講義スケジュールは上に記したようなものなので、興味があれば各学者の生涯や時代背景について調べておくとよい。

 【復習】としては、授業中の小テストもあるので、配布物・ノートをしっかり見返し、講義で扱った著作などを適宜各自で読み、理解を深めておくこと。
Textbooks Textbooks/References  
 講義ではその都度、レジュメプリント・資料プリントなどを配布する。
References, etc. 懐疑主義, 松枝啓至, (京都大学学術出版会)
 各自で予習・復習するために、有益な文献については、適宜、講義中に紹介する。
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