Ontology of Self I
Numbering Code | U-LAS00 20001 LJ34 | Year/Term | 2022 ・ First semester |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture |
Target Year | 2nd year students or above | Target Student | For all majors |
Language | Japanese | Day/Period | Fri.4 |
Instructor name | ABE HIROSHI (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor) | ||
Outline and Purpose of the Course |
「自己存在」は人間存在を特色づける基本的な規定の一つであり、哲学史上、精神、主体、自己意識、実存、現存在、一人称といった概念の下で究明され続けてきたものである。時の古今を問わず、洋の東西を問わず、こうした考察が絶えず繰り返されているという事実は、「今ここにこうしてある私とは何者であるのか」という問いが、我々にとっていかに根源的であり、そしてまたいかに抜き差しならないものであるかをいみじくも物語っていると言えよう。 本講義のねらいは、そのような「自己存在」を基軸としながら、主として近現代の哲学における諸問題を考究し、もって受講者各人自身による思索の歩みを裨益せんとすることにある。 もとより「ゼルプスト・デンケン(自分で考え抜くこと)」は、決して一朝一夕になしうるものではない。だがそれこそが哲学をすることの生命であり、そしてまた一身を賭して試みるに値する事柄であることを受講生諸氏が本講義を通して感得されんことを冀ってやまない。 |
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Course Goals | 「ゼルプスト・デンケン(自分で考え抜くこと)」は、決して一朝一夕になしうるものではないとはいえ、それこそが哲学をすることの生命であり、そしてまた一身を賭して試みるに値する事柄であることを理解する。 | ||
Schedule and Contents |
目下のところ、語の全き意味において「存在せざる者」に他ならない遠い未来の人々の存在を前もって保証せねばならない責任が、今日の我々にあるのであろうか。仮にそうであるとして、そのような責任を我々はいかなる仕方で果たしうるのか。 或いは前世紀以来の「人口爆発」による環境破壊の激化に鑑みるならば、我々は寧ろ人口削減を必要としており、将来世代はおろか、我々(現在世代)自身の存在をも積極的に抑制する義務こそを有しているのであろうか。百歩譲ってそうであると仮定するにせよ、こうした義務は果たして(そしてまた如何にして)倫理的に正当化されうることになるのか。 以上のような問題意識は、人類が人類自身の存続を問題にし、その是非を理論的に基礎づける営為に、ひいては自己存在論へと我々を導くことになる。かくて今年度の「自己存在論Ⅰ」では、今日の環境倫理学や生命倫理学の鼻祖の一人、H. ヨーナスによる未来倫理学との対話を通じて、如上の問題を考察することにしたい。 目下のところ、以下のような課題について、1課題あたり3~4回の授業を行う予定である(但しこの予定は適宜変更される場合もある)。なお授業回数はフィードバックを含め、全15回とする。 1. ヨーナスの未来倫理学の概略 2. ヨーナスの「責任」概念の要点 3. 「人間像」と「人間の理念」の区別 4. 「人間の理念」による<将来世代に対する責任>の基礎づけ 5. Pro et Contraー人類の存亡の是非 |
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Evaluation Methods and Policy | レポート試験によって評価する。 | ||
Course Requirements | 哲学系科目I・II(哲学I・II、倫理学I・II、科学論I・II、論理学I・II等)の中、少なくとも一つを既修していることが望ましいが、そうでない場合にも本授業を履修して頂くことは可能である(その代わりに頑張って私の話に付いてきて下さい)。 | ||
Study outside of Class (preparation and review) | 授業中に指示する文献を予習し、筆記した講義ノートを復習する。 | ||
References, etc. | 責任という原理 科学技術文明のための倫理学の試み, H. ヨナス, (東信堂) |