Group Dynamics (Industrial/Organizational Psychology)

Numbering Code U-HUM12 11508 LJ46 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year From 1st to 4th year students Target Student
Language Japanese Day/Period Fri.1
Instructor name MIYAMOTO TAKUMI (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course グループ・ダイナミックス(集団力学)とは、グループ(集合体)---- 一群の人々とその環境(物的・制度的環境)の総体 ---- の動き・変化(動態)を研究する学問分野である。
 その大きな特徴は研究スタンスにある。グループ・ダイナミックスは、現実の集合体(組織、コミュニティなど)の中に研究者が飛び込み、現場のベターメント(改善・改革)に向かって、現場の当事者とともに協同的実践を展開するというアクションリサーチの性格を有している。この点、従来の文系の現場研究では、研究者が現場に入ることによって現場が変化してしまってはならないとされてきたのとは対照的である。
 当事者との協同的実践において研究者が果たすべき役割は、現場の言説空間(言葉の世界)を豊かにすることである。人間は、言葉を使って考え、言葉を使ってコミュニケーションする。言葉が豊かになれば、思考もコミュニケーションも豊かになる。グループ・ダイナミックスの概念的・理論的言説は、協同的実践の言説空間を豊かにするものでなければならない。
 本講義では、グループ・ダイナミックスの基本的な考え方に始まり、重要な概念・理論を紹介する。そして、それぞれの概念・理論が、現場の協同的実践の中でどのように用いられたのかについて、過疎地域の活性化の問題、地域における減災復興の問題、組織における人々の行動、職場で求められる心理的支援の問題(キャリア形成を含む)から実例を引きながら解説する。
Course Goals グループ・ダイナミックスの基礎的な概念や理論を理解できるようになる。同時に、それらの概念・理論が、いかに現実の協同的実践の推進に貢献するかを具体的に理解できるようになる。
Schedule and Contents 第1回 イントロダクション

第2回 自然科学と人間科学
 自然科学と人間科学の違い、科学の分類を紹介しながら、グループ・ダイナミックスのメタ理論である人間科学について理解を深める。

第3回 集合性
 グループ・ダイナミックスが集合をどのように捉えるのか概説する。

第4回 規範の理論
 私たちの社会を構成している「意味」がどのように成立するのか理論的に理解をする。

第5回 経験の理論
 私たちの社会的構成が、「言語の水準」と「身体の水準」の2つの水準から構成されていることを理解する。

第6回 時間の理論
 変化を扱うためには、時間についての理解が肝要である。ここでは、近代的な時間感覚がどのように成立されたのか理解する。

第7回 現代社会の理論
 現代社会とはどのような社会なのか、その時代的特徴がアクションリサーチにもたらす意味について考える。

第8回 アクションリサーチ
 グループ・ダイナミックスが志向するアクションリサーチの歴史と背景について紹介をする。

第9回 アクションリサーチの困難
 アクションリサーチの前提そのものがもたらすアクションリサーチの困難について、実際の事例をもとに考察する。

第10回 アクションリサーチのデータ
 グループ・ダイナミックスが依拠する人間科学のデータ(量的・質的)がもつ特徴について、それがアクションリサーチにどのような影響を及ぼすのか議論を行う。

第11回 アクションリサーチの設計
 実際にどのようにアクションリサーチを設計できるか考える。 

第12回 過疎地域におけるアクションリサーチ
 過疎地域においてどのように未来を構想できるかを考える。

第13回 減災復興のアクションリサーチ
 地域における災害への備えや災害からの復興を試みるアクションリサーチを考える。

第14回 職場におけるアクションリサーチ
 組織における人々の行動を理解したうえで、職場におけるキャリア形成や心理的支援について考える。

学期末試験

第15回 フィードバック
Evaluation Methods and Policy 学期末試験(100点満点)によって評価する。到達目標について、総合人間学部の成績評価の方針に従って評価する。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 授業ではたくさんの参考文献を紹介するので、自分の関心に応じて予習・復習に活用し、学びを深めること。
References, etc. グループ・ダイナミックス入門 ---- 組織と地域を変える実践学, 杉万俊夫, (世界思想社), その他、参考図書については随時授業の中で紹介する
PAGE TOP