Seminar on Environmental Construction II

Numbering Code U-HUM42 26257 SJ74 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Seminar
Target Year From 2nd to 4th year students Target Student
Language Japanese Day/Period Wed.3
Instructor name MAEDA MASAHIRO (Graduate School of Human and Environmental Studies Associate Professor)
Outline and Purpose of the Course 現代の哲学者ピーター=ポール・フェルベークの著作『技術の道徳化ー事物の道徳性を理解し設計する』を課題図書とし,受講学生による輪読等を通じて,現代の社会における人間と技術,環境(世界)の関わり,あり方についてに理解を深める。
フェルベーグは技術を人間の道徳を「媒介」するものとして捉え,現代を人間の道徳が技術に影響されていることが目に見えるような時代であるとしている。そして,技術からの媒介的影響を自覚しつつ,その「使用」や「設計」のあり方を探ることが「技術の道徳化」であり,ポスト人間中心主義的な「自由」の獲得であるとしている。B.ラトゥールの「アクターネットワーク論」やドン・アイディの「ポスト現象学」の枠組みを統合して技術と道徳の関係を考察するフェルベーグの議論は思弁的でありながら常に具体的で身近な事例に即して進められている。このような議論を敷衍しつ,現代の日本の都市に生きる私たちが技術の道徳化の要求にいかに応えるか,ということについても討論やケーススタディを通じて議論を深める。
Course Goals 現代の都市における人びとの営みを規定している技術について,「道徳性」,「自由」といった視点から理解する。そして,技術が人間の道徳性を媒介する具体的な事例の検討,ケーススタディ等を通じて,人間と環境(世界)を構成する事物の共存のあり方について理解する。また,技術の思想形成に関わる代表的な人物や基本的な概念について理解し,説明できるようになる。
Schedule and Contents 第1回 イントロダクション
第2回 討論①技術の道徳性とは(ブレスト)
第3回 講義 住まい・まちづくりにおける環境との協同
第4回 発表①
 第一章 媒介された道徳
 第二章 ヒューマニズム的でない技術倫理
第5回 発表②
 第三章 人工物は道徳性をもつか
 第四章 技術と道徳的主体
第6回 討論② 第一章-四章 総合討論
第7回 ケーススタディ① 技術を介した環境との協同①
第8回 ケーススタディ② 技術を介して環境との協同②
第9回 発表③
 第五章 設計における道徳
 第六章 道徳的環境ー具体的応用事例
第10回 発表④
 第七章 媒介を超えた道徳
 第八章 結論ー技術に同行する
第11回 討論③ 第五章-八章 総合討論
第12回 ケーススタディ③ 技術を介した環境との協同③ 
第13回 ケーススタディ④ 技術を介した環境との協同④
第14回 討論④ 全体
第15回 フィードバック
Evaluation Methods and Policy 授業内で課す発表の内容と受講態度,期末レポートで評価する。
Course Requirements 都市と技術,共同体に関心がある学生に受講していただきたい。環境構成論Ⅱと併せて履修することが望ましい。
Study outside of Class (preparation and review) 教科書(課題図書)は各自で購入し,自身の担当箇所以外も読み,内容を理解すること。
第2回目の授業で発表の担当箇所を割り振り,受講生は第4回以降,順次発表を行う。
また、授業で紹介した資料や参考文献について復習を行ったり、授業の内容を踏まえて日頃から都市について考察するなど、自分なりの関心に応じて学びを深めること。
Textbooks Textbooks/References 技術の道徳化ー事物の道徳性を理解し設計する, ピーター=ポール・フェルベーク, (法政大学出版局), ISBN:978-4588010330
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