Seminar of Social Anthropology B

Numbering Code U-HUM42 26145 SJ40 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Seminar
Target Year From 2nd to 4th year students Target Student
Language Japanese Day/Period Wed.4
Instructor name Iwatani Ayako (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor)
Outline and Purpose of the Course 近年の人間中心主義批判や「マテリアル・ターン」(material turn)とでもいうべき潮流―ものを通して人間世界を捉える視点―を牽引してきたブリュノ・ラトゥールの代表的著作である『社会的なものを組み直す―アクターネットワーク理論入門』を購読することで、社会や人間を実体的にとらえる視点を脱し、人ともの、環境がつくりだす多様なネットワークの中で「社会的なるもの」が立ち上がる動態に迫る。
Course Goals ・人間中心主義的な思考を脱し、人間が異なるものや環境と連関しながら社会を生成している動態を理解する。
・アクターネットワーク理論の可能性と限界について考察できるようになる。
Schedule and Contents 『社会的なものを組み直す―アクターネットワーク理論入門』を精読することで、社会をネットワークや組み合わせ(アセンブリッジ)として捉える視点の意義と限界について考察する。(以下の授業計画は、同書の章立てに沿っている)

1. 講義と講師の紹介
2. 序章―連関をたどる務めに立ち帰るには
3. 第一の不確定性の発生源―グループではなく、グループ形成がある
4. 第二の不確定性の発生源―行為はアクターを超えてなされる
5. 第三の不確定性の発生源―モノにもエージェンシーがある
6.第四の不確定性の発生源―〈厳然たる事実〉対〈議論を呼ぶ事実〉
7.第四の不確定性の発生源(2)
8.第五の不確定の発生源―失敗と隣り合わせの報告を書きとめる
9.アリ/ANTであることの難しさについて―対話形式の幕間劇
10.社会的なものをたどることは、なぜ難しいのか?
 社会的なものをフラットな状態に保つ方法
11.第一の手立て―グローバルなものをローカル化する
12.第二の手立て―ローカルなものを分散させ直す
13.第三の手立て―複数の場を結びつける
14.社会から集合体へ―社会的なものを組み直すことは可能か
(15.フィードバック)
Evaluation Methods and Policy 授業への出席が前提となる。授業での討論への貢献度(50%)、文献報告(50%)によって総合的に評価する。
Course Requirements 文化人類学各論IIなど文化人類学関連の科目を受講している、または受講経験があることが望ましい。
Study outside of Class (preparation and review) 各自が担当章以外の章も購読すること。
担当する文献については、書かれている内容の背景となる理論や用語についてもできるだけ把握し、レジュメを用意すること。
Textbooks Textbooks/References 社会的なものを組み直す, ブリュノ・ラトゥール , (法政大学出版局)
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