Seminar on Theory of Modern Arts A

Numbering Code U-HUM15 31141 SJ35 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Seminar
Target Year 3rd & 4th year students Target Student
Language Japanese Day/Period Fri.2
Instructor name UEMURA HIROSHI (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course 本科目は、近代のさまざまな芸術論を紹介する授業ではありません。むしろ、近代の芸術制度を支える基本的な理論的枠組み(前提となる考え方)を探ることが目的です。
つい150年ほど前から、日本の近代の「芸術」概念が形成されてきました。しかし、そもそも「芸術」という制度は西欧でも時代によって大きく変化してきました。それは感性や美、そして技術や知を巡る理論的反省の歴史ときわめて強くむすびついています。本科目では近代的な芸術概念や「美術」制度の成立に至るまでの諸理論を、古典的テキスト(主に日本語版を使用)に基づきながら辿り、今日の芸術制作や受容を規制する枠組みがどのように形成されたのかを考察します。授業では受講者ごとに数回の分担課題(文献紹介)の口頭発表が求められます。
Course Goals 芸術とそれに関連する基本的諸概念の成立を歴史的に理解するとともに、今日の芸術の理論と制度に向けた批判的な視点を獲得すること。
Schedule and Contents 1 ことばと定義の問題:「芸術」「美術」
2 模倣(ミーメーシス)の問題
3 形式と有機体
4 科学としての芸術
5 「創造」概念の出自
6 デザイン(Disegno)という概念
7 天才の人間化
8 感性の諸理論
9 「美」をめぐる諸理論
10 視覚と芸術論
11 進歩と芸術の歴史
12 諸国民の芸術と文化遺産の問題
13 環境決定論と芸術の地域性
14 純粋視覚性の近代美学
15 現代芸術の諸問題

以上の進行は学生の関心や理解に応じて変更する場合があります。
Evaluation Methods and Policy 授業時の発表(90%)と授業への参加度(各発表者への質問やコメント、10%)により評価します。発表内容については到達目標の達成度に基づき評価します。
Course Requirements 概説書等で美術史や哲学史の流れを把握しておくことが望ましいです。
Study outside of Class (preparation and review) 授業前には、演習で取り上げる予定の文献(プラトーン、アリストテレース、アルベルティ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ヴィンケルマン、カント、ヘーゲル、リーグル、フィードラーなどの著作)については、その概略について下調べをしておいてください。受講者の人数や関心に応じて使用テキストと発表の分担を決めます。
授業後には、授業中に紹介した諸文献について、自分の発表担当箇所以外も含め、再読してそれぞれの著作の意義を整理するとともに、今日の芸術言説を観察して授業で得られた知見と照らし合わせてください。
Textbooks Textbooks/References 基本的に授業中に指示しますので、図書館や書店で入手してください。入手困難なものについては、授業時に配付するものもあります。
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