化学量子論

Numbering Code G-SCI41 57002 LJ60 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year Master's students Target Student
Language Japanese Day/Period
Instructor name Yuki Kurashige (Graduate School of Science Associate Professor)
Outline and Purpose of the Course 現代化学電子論の基礎概念である分子軌道は平均場近似の産物です。電子は瞬間々で互いの居場所を知り得ないという思い切った近似でありながら、分子の反応性の理解などに優れた定性的説明を与えることから“分子軌道”は完全に化学の言葉として定着しました。しかし、実際の電子は互いに上手く避けあって運動をしており、例えばフッ素分子は安定な分子ですが平均場理論からは結合を作れないという間違った結果が得られます。化学電子論では、このような平均場理論では取り扱うことの出来ない効果をまとめて電子相関と呼びます。本講義では、電子相関とは何かを身を以て理解するために第二量子化に基づく生成消滅演算子の代数と、それを用いた電子相関理論の定式化を学びます。
Course Goals 量子化学の電子状態理論において平均場理論をこえた電子相関を取り扱う手法を理解する。第二量子化を理解し、生成消滅演算子を用いた代数的取り扱いを習得する。
Schedule and Contents 以下の項目についてそれぞれ進捗に合わせて2~4回講義します。
1. 平均場理論(Hartree-Fock法)の復習
2. 電子相関理論の概論
3. 第二量子化と生成消滅演算子
4. 結合クラスター理論(Coupled Cluster法)など電子相関理論の定式化
Course Requirements 量子化学(分子電子状態理論)に関する学部レベルの知識。
Study outside of Class (preparation and review) 講義の内容を復習し、必要であれば参考書の使用や担当教員への質問を行うこと。
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