Spectroscopic Analysis for Chemistry

Numbering Code G-SCI41 57271 LJ60 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Seminar
Target Year Master's students Target Student
Language Japanese Day/Period
Instructor name HASEGAWA TAKESHI (Institute for Chemical Research Professor)
Outline and Purpose of the Course 界面の吸着分子や薄膜中の分子構造を定量的に解析するのに,振動分光学はきわめて強力な解析手段である.有機半導体薄膜,液晶,化学・バイオセンサーといった応用分野もちろん,分子集合系が示す独特な物性を構造と関連付けて理解するのに,振動分光が使いこなせるとよい.本講義では,赤外分光法を中心に,分子振動の物理,選択律の量子論及び電磁気学,薄膜分光の物理,光学配置の異なる測定によって得られるスペクトルの相互理解,多変量解析などを学ぶ.薄膜・界面の化学に関わる多くの大学院生にとって,身近な分光器を研究の主力にするべく,学部の講義ではほとんど語られることのない分光学の基礎をまとめて把握することを目的とする.
Course Goals もっとも身近な分光器のひとつフーリエ変換赤外分光器(FT-IR)を使いこなし,分子のコンフォメーション,パッキング,官能基ごとの配向,結晶多形の解析および分子間相互作用の定量化などが自在にできるようになり,単分子膜レベルの超薄膜試料の解析に自信をもって取り組めるようにする.また,分光の基礎を知らないと誰でも簡単に陥る過ちを把握し,間違いのない定量的な議論ができるようする.
Schedule and Contents 1. 赤外スペクトルからなにがわかるか: 分子コンフォメーション,パッキング,会合,イオン性化合物の
 塩形成など
2. 連成振動子解析の基礎: 基準座標と基準振動,連成振動子から見る赤外およびラマン分光法の違い
3. 選択律: フェルミの黄金律,群論,Beer-Lambert則の電磁気学的理解
4. フーリエ変換分光の詳細とFT-IRの基本パラメータ
5. 薄膜分光の基礎: 試料の厚みを波長より十分に減らすと何が起こるのか
6. 種々の薄膜分光法: 各種測定法と電磁気学的表現による定量的な理解
7. 種々の薄膜分光の相互理解を可能にする信号理論: コンボリューションの考え方,Kramers-Kronigの関係
8. 多変量解析: スペクトルの縦軸を生かす
9. 多角入射分解分光(MAIRS)法: 薄膜中の分子配向の定量的解析
Course Requirements 物理化学の基礎知識があり,スペクトル測定を利用した凝縮系化学の理解に興味があること。
Study outside of Class (preparation and review) 講義をきっかけに,自分の研究に生かすことを考え,自分なりの説明ができるようになることを目指してほしい.
References, etc. Quantitative Infrared Spectroscopy for Understanding of a Condensed Matter, Takeshi Hasegawa, (Springer), ISBN:978-44315649115, 分光学の電磁気学的側面を省略なしに述べた唯一の本
赤外・ラマン分光分析, 長谷川健・尾崎幸洋, (共立出版), ISBN:978-4-320-04458-6
赤外分光法, 古川行夫, (講談社サイエンティフィク)), ISBN:978-4-06-156904-1
スペクトル定量分析, 長谷川健, (講談社サイエンティフィク), ISBN:978-4061543263
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