地球物理学のためのデータ解析

Numbering Code G-SCI31 95226 LJ58 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year Master's students Target Student
Language Japanese Day/Period
Instructor name MUKOUGAWA HITOSHI (Graduate School of Science Professor)
ITO KOSUKE (Graduate School of Science Visiting Associate Professor)
Outline and Purpose of the Course 地球物理学では、観測や数値実験の結果生み出される膨大な時空間多次元データに適切なデータ解析手法を適用することにより、新規の現象を見出し、その特徴を記述し議論する。従って、地球物理学の研究において、データ解析手法、特に、多変量データ解析手法に習熟しておくことは不可欠である。そのため、本講義では、確率統計解析の基礎の復習からはじめ、重回帰分析や主成分分析など多変量データ解析の基礎を講義する。また、直接観測できない量を観測量から推定する逆問題、観測値と数値モデル結果の統計的融合をはかるデータ同化の初歩的な考え方も解説する。
Course Goals 地球物理学で用いられる種々の統計データ解析手法の基礎を学び、研究論文等に記載されたデータ解析結果を、その信頼性も含めて正しく理解する実践的能力の習得を目指す。
Schedule and Contents  以下のような課題について、1課題あたり1~3週の授業をする予定である。
1.統計解析の基礎(向川)
  偶然誤差と系統誤差、確率と確率変数、確率密度関数と確率分布関数、同時確率密度関数、相関係数と独立、標本抽出、不偏推定値、特性関数、歪度と尖度
2.母集団分布(向川)
  2項分布、ポアソン分布、正規分布、多変量正規分布、再生性
3.標本分布(向川)
  大数の法則、中心極限定理、カイ2乗分布、F分布、t分布
4.区間推定と検定(向川)
  パラメトリックな推定と検定、ノンパラメトリックな推定と検定(Bootstrap法)
5.回帰分析(向川)
  相関係数、単回帰分析、重回帰分析、相関係数や回帰係数の検定と推定
6.主成分分析(EOF解析)(向川)
  主成分、寄与率、様々なEOF
7.特異値分解(SVD)解析(向川)
8.逆問題の解法(伊藤)
  優決定問題と劣決定問題、一般化逆行列、先験情報とベイズインバージョン
9.データ同化の基礎(伊藤)
  誤差共分散、最小分散推定、最尤推定

講義の進め方は、受講者の理解度に応じて講義担当者が決めることとする。
Course Requirements 必須ではないが、線形代数や確率論の基礎知識があることが望ましい。
Study outside of Class (preparation and review)  講義で解説する統計データ解析の原理や手法を身につけるには、講義の復習だけではなく、実際のデータを用いた実習を行うことを推奨する。
References, etc. 新しい誤差論, 吉澤康和, (共立出版), ISBN:978-4-320-01424-4
確率統計の数理, 石井博昭・塩出省吾・新森修一, (裳華房), ISBN:978-4785310905
「気象学と海洋物理学で用いられるデータ解析法」気象研究ノート第221 号, 伊藤久徳・見延庄志郞, (日本気象学会), ISBN:978-4-904129-04-3
離散インバース理論ー逆問題とデータ解析ー, W. メンケ, (古今書店), ISBN:978-4772215589
Parameter Estimation and Inverse Problems (Third Edition), R. Aster, B. Borchers, and C. H. Thurber, (Elsevier), ISBN:978-0-12-804651-7
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