精神看護学高度実践演習IIA
Numbering Code | G-MED22 5M341 SJ94 | Year/Term | 2022 ・ Second semester | |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Seminar | |
Target Year | 1st year master's students | Target Student | ||
Language | Japanese | Day/Period | ||
Instructor name |
SUGAWARA NORIKO (Graduate School of Medicine Assistant Professor) YAMANOUCHI TOMOKO (Graduate School of Medicine Assistant Professor) |
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Outline and Purpose of the Course | リエゾン精神看護専門看護師として、対象となる一般科の患者、家族および看護師に対し、卓越した高度な看護実践を行うために必要な知識と方法を習得する。リエゾン精神看護専門看護師の役割を理解し、対象に応じた適切で質の高い包括的ケアを提供するため、ケアの変革者としての自己の課題と将来への展望を探求する。 | |||
Course Goals |
下記の視点にあるように、一般科において精神的な問題を抱えている患者とその家族を支援するためのリエゾン看護の高度なアセスメントと直接ケアに関する技術と実践能力を習得できる。また、コンサルテーション、調整、倫理調整、教育などのリエゾン看護専門看護師の発揮すべき機能に関する知識や技術に基づく高度な看護実践能力を習得できる。 1.リエゾン精神看護専門看護師の歴史、目標、支援対象の特徴、必要となる役割・機能について説明することができる。 2.リエゾン精神看護領域でのアセスメントと直接ケア、教育、研究、相談・倫理調整の機能を果たすための援助技法および実際の展開方法について、事例に適用することができる。 3.多職種を含むリエゾンチームにおける支援技術と、チームの中での専門看護師の役割機能について考察することができる。 4.リエゾン精神看護の対象者に対する質の高い包括的なケアを提供するため、ケア変革者としての自己の課題と将来への展望を探求することができる。 |
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Schedule and Contents |
第1回 リエゾン精神看護の歴史と動向(須賀原) ・リエゾン精神看護の発展の歴史、リエゾン精神看護が目標とするもの、国内外の活動の現状と課題 第2回 リエゾン精神看護の活動の場、対象の特徴およびリエゾン精神看護の機能役割(須賀原) ・一般科の医療現場の特性、一般科の患者とその家族や看護スタッフなどリエゾン精神看護を必要とする対象の特徴、必要となるリエゾン看護師の機能と役割 第3回 リエゾン精神看護領域での援助関係の構築と支援体制の調整(須賀原) ・リエゾン精神看護の相談機能を発揮するうえで重要となる対象者との援助関係の構築プロセスを対象者の安全と安心の観点から分析し、気づいた課題と支援体制の調整について検討 第4~9回 一般科で遭遇しやすい精神的問題・症状を有する患者のアセスメント法と直接ケア(須賀原) ・入院後せん妄状態にある患者の精神症状の査定とケア ・手術前の不安状態にある患者の精神症状の査定とケア ・長期療養中の抑うつ的な患者の精神症状の査定とケア ・慢性疼痛を有する患者の精神症状の査定とケア ・怒りや攻撃性の強い患者の精神症状の査定とケア ・ターミナル期にある患者の精神症状の査定とケア ・鑑別診断、心身相関の読み取り、問題の本質に関する包括的なアセスメントの要素 第10回 リエゾン精神看護領域でのメンタルヘルス・アプローチ(須賀原) ・カウンセリング技法やストレスマネジメントなどを用いた看護師のメンタルヘルス支援の必要性とその現状、およびリエゾン精神看護専門看護師が担う役割について 第11回 リエゾン精神看護領域でのコンサルテーションの展開方法(須賀原) ・他科病棟での看護職へのコンサルテーションを行う際に起こりうる課題とその対応策(事例検討) 第12回 リエゾン多職種チームにおける活動の実際と看護職の役割(須賀原) ・総合病院においてリエゾンチームが活動する中での支援アプローチの実際と、リエゾン専門看護師の担う役割機能、チームビルディングの課題 第13回 リエゾン精神看護領域で生じる倫理葛藤とその調整(須賀原) ・精神専門看護師の実践例を通じて、支援場面で生じる患者の権利と治療やケアとの葛藤とその対応について理解する ・倫理的葛藤を生じた事例を通じて、考え方や対応の仕方について討論する 第14回 リエゾン精神看護領域の研究課題と今後の展望(須賀原) ・リエゾン精神看護領域で行われている研究動向、最新の知見に関する発表 ・リエゾン精神看護領域での海外文献検索・抄読を行い、日本の活動との相違点から今後の展望を討論する 第15回 まとめ(須賀原) これまでの学習を振り返り、リエゾン精神看護専門看護師に期待される働き、役割開発と自己の課題について討議する |
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Evaluation Methods and Policy | 授業参加状況40%、プレゼンテーション30%、レポート30%により総合的に評価する。 | |||
Course Requirements | 高度実践研究者養成プログラム専門看護師課程:精神看護学を専攻している者であること。 | |||
Study outside of Class (preparation and review) |
授業時間内に詳細は提示する。各講師の提示する課題を確認し、事前・事後の自己学習を主体的に行うこと。 ディスカッションとプレゼンテーションにて授業を進めていくため、積極的に参加すること。 |
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Textbooks | Textbooks/References | 各講師が適宜、指定する資料および文献 | ||
References, etc. |
宇佐美しおり・野末聖香 編著:精神看護スペシャリストに必要な理論と技法、日本看護協会出版会、2009 秋山 剛 編:精神科リエゾンチームガイドブック ― はじめ方からトラブル対応まで、医歯薬出版、2017 川野 雅資:精神症状のアセスメントとケアプラン 32の症状とエビデンス集、メヂカルフレンド社、2012 野末聖香:リエゾン精神看護―患者ケアとナース支援のために―、 医歯薬出版、2004 "E.H. シャイン 著・稲葉 元吉 訳:プロセス・コンサルテーション 援助関係を築くこと、白桃書房、2002 " |