精神看護学高度実践特論V

Numbering Code G-MED22 5M339 LJ94 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year 1st year master's students Target Student
Language Japanese Day/Period
Instructor name SUGAWARA NORIKO (Graduate School of Medicine Assistant Professor)
YAMANOUCHI TOMOKO (Graduate School of Medicine Assistant Professor)
Outline and Purpose of the Course 精神障がい者の処遇の歴史的変遷について学習し、患者の安全と人権擁護について理解を深める。また、精神保健医療福祉の法・制度、サービス体制の現状の国際比較を通じて我が国の精神保健医療福祉の特色と課題を明確にし、進むべき方向性や必要な制度改革ならびに看護職に期待される役割について探求する。
Course Goals 下記の視点にあるように、精神障がい者に関する法・制度の知識を得ることによって、専門看護師としての役割を果たすとともに、医療保健福祉の連携に基づく切れ目のない効果的な支援を提供できる高度な実践能力が習得できる。
1.精神障がい者の処遇の歴史的変遷について学習し、患者の安全と人権擁護について理解することができる。
2.日本の法制度、精神保健医療福祉政策、サービス体制、主な社会保障制度の現状について理解することができる。
3.諸外国との比較を通して、日本の精神保健医療福祉の特色と今後の進むべき方向性や必要な制度改革ならびに看護職に期待される役割について考察することができる。
4.精神保健医療福祉のサービスの実際を理解し、今後の課題と専門看護師の役割について理解することができる。
Schedule and Contents 第1回~第2回 ガイダンス、精神障がい者に対する処遇と精神保健医療福祉の歴史的変遷と人権(須賀原)
  古代、中世、近世における民間信仰、京都岩倉における精神病者・家族的看護と精神科医療の起こり、近代以降の精神医療の歴史
第3回 精神保健福祉法の理念と現行に関する理解と今後の課題(山之内・須賀原)
第4回 精神障がい者の安全と権利擁護のための倫理的配慮と看護の役割(山之内・須賀原)
社会における虐待と差別、社会的障壁の倫理的な課題の分析(事例検討を含む)と看護の役割、障害者差別解消法の理解
第5回 精神障がい者に対する主な社会保障制度と今後の課題(須賀原)
障害者総合支援法、自立支援医療、生活保護、障害年金、特別障害者手当、精神障害者保健福祉手帳、障害者控除等
第6回 自殺対策基本法の理解と今後の課題(須賀原)
自殺総合対策大綱、ゲートキーパー、自殺対策における看護の役割とは
第7回 障害者雇用促進法の理解と今後の課題(須賀原)
精神障がい者雇用義務化による変化と今後の課題、雇用と就労支援の現状、看護の役割とは
第8回 国際的精神保健医療福祉制度と看護の動向(1)(須賀原)
米国の法・制度や看護
第9回 国際的精神保健医療福祉制度と看護の動向(2)(須賀原)
オーストラリア・イタリア・英国の法・制度や看護との相違
第10回 精神保健医療福祉に関する法制度の国際比較と将来への展望(須賀原)
諸外国と日本における精神保健福祉政策の比較検討、精神保健医療福祉政策のあり方と看護の役割とは
第11回 地域保健医療福祉システムとサービスの理解(須賀原)
ACT、精神科訪問看護、オープンダイアロ-グの理論と実践内容、効果評価に関する最新の知見
第12回 当事者運動と当事者研究(須賀原)
セルフヘルプグループとの協働、WRAP、当事者研究の理解と看護への適用
第13回~第15回 身近な地域の精神保健福祉サービスの実際(見学)(山之内・須賀原)
精神障がい者サービス事業所の見学を通じて、サービスの現状や様々な職種による支援方法について学び、今後の課題と専門看護師の役割について検討する。
Evaluation Methods and Policy 授業参加状況40%、プレゼンテーション30%、レポート内容30%により総合的に評価する。
Course Requirements 高度実践研究者養成プログラム専門看護師課程:精神看護学を専攻している者であること。
Study outside of Class (preparation and review) 授業時間内に詳細は提示する。各講師の提示する課題を確認し、事前・事後の自己学習を主体的に行うこと。
ディスカッションとプレゼンテーションにて授業を進めていくため、積極的に参加すること。
Textbooks Textbooks/References 各講師が適宜、指定する資料および文献
References, etc. 精神保健医療福祉白書編集委員会(編): 精神保健医療福祉白書2017: 地域社会での共生に向けて、 中央法規出版、2016
吉川武彦:精神保健マニュアル、南山堂、2012
新福尚隆(編):世界の精神保健医療、へるす出版、2001
福井貞亮:特集:精神障害者地域生活支援の国際比較―アメリカ合衆国、海外社会保障研究 Spring2013 No.182、2013
坂本沙織:特集:精神障害者地域生活支援の国際比較―イタリア、海外社会保障研究 Spring2013 No.182、2013
一般社団法人日本精神科看護協会 (監修):新・看護者のための精神保健福祉法Q&A、中央法規出版、2015
増川ねてる、藤田茂治: WRAPを始める!―精神科看護師とのWRAP入門、精神看護出版、2016
田中美恵子(編):自殺の看護、すぴか書房、2010
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