精神看護学高度実践特論IV

Numbering Code G-MED22 5M338 LJ94 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year 1st year master's students Target Student
Language Japanese Day/Period
Instructor name SUGAWARA NORIKO (Graduate School of Medicine Assistant Professor)
YAMANOUCHI TOMOKO (Graduate School of Medicine Assistant Professor)
Outline and Purpose of the Course 精神症状・疾患に伴う複雑な健康問題を抱えた対象へ効果的な看護援助を提供するために、必要な知識と技法を習得する。また、精神的な健康問題を抱えた人の持てる力を活用して課題を乗り越え、社会生活への適応を促す支援モデルとチームアプローチについて学び、より高度な精神看護援助能力を養う。
Course Goals 下記の視点にあるように、研究によるエビデンスまたは諸理論をもとに考案された援助モデルや技術を、精神疾患患者とその家族を対象として、効果的に活用する高度実践看護能力を習得できる。
1.精神障がいを有する対象が直面する心理社会的課題や病むことの意味を理解し、精神看護の専門看護師が担う役割・機能について考察することができる。
2.精神障がいを抱えた人の持てる力を活用し、課題を乗り越え、社会生活への適応を促すために効果的な看護介入について説明できる。
3.多職種連携チームアプローチの理論と技法について理解し、医療チームにおける専門看護師の役割について考察することができる。
4.精神保健医療福祉分野において複雑な倫理的問題に直面にした際に起こりうる倫理的ジレンマや課題に対し、患者・家族・医療チームなど関係者間での倫理的調整を行なうためのアプローチ法について説明できる。
Schedule and Contents 第1回 オリエンテーション、精神看護領域の高度実践看護師の役割と機能(須賀原)
・オリエンテーション:本講義の概要・目的・目標・授業の進め方について説明
・困難事例をもとに、患者にとって病むことの意味と、精神看護専門看護師に求められる役割・機能について討議する
第2回 ケアマネジメントモデルの理解(山之内・須賀原)
・ケアマネジメントモデルの考え方と実践の種類、精神障がい者が活用できる現状の社会資源・支援、評価の検討
第3回 ケアマネジメントモデルの看護への適用(山之内・須賀原)
・ケアマネジメントモデルを用いて、自ら経験した事例について看護の視点からアセスメントする。
第4回 ストレングスモデルを用いた看護援助方法の理解(山之内・須賀原)
・ストレングスの概念、定義、構成要素、エンパワメントの概念との比較、ストレングスモデル、およびアセスメントについて学習する。
ストレングスモデルを用いた看護実践と研究の現状を把握し、それらを踏まえた今後の課題を検討する。
第5回 ストレングスモデルを用いた看護実践(山之内・須賀原)
・自ら経験した事例についてストレングスモデルを活用したアセスメントシートを用いて、精神障がい者の強みを生かし育むための技術演習を行う。
第6回 逆境を乗り越える力・適応力と看護(須賀原)
・レジリエンスの定義、構成要素、測定方法、レジリエンスを鍛えるための看護支援技法
第7回 逆境を乗り越える力・適応力を高める支援の実際(須賀原)
・レジリエンスを鍛える看護支援方法について演習を行い、その効果について客観的指標を用いて評価する。
第8~9回 リラクゼーションによる自己コントロール支援(山之内・須賀原)
・リラクゼーションによる生体への反応、リラクゼーションの種類とその効果、最新の知見
・呼吸法とマインドフルネスの知識と技法、臨床での活用方法
・筋弛緩法、自律訓練法の知識と技法、臨床での活用方法
第10回 アサーション・トレーニング(山之内・須賀原)
・自分の意見が言えないまたは攻撃的な対象者のメンタルスキルアップのための支援としてアサーション・トレーニングの学習
第11~12回 精神保健医療福祉分野における多職種連携チームアプローチによる支援方法と役割調整(非常勤講師・山之内・須賀原)
・チームビルディングの要件、チームの技法としてのケースカンファレンスやクリティカルパスの活用法
・グループダイナミクスの分析、チーム医療における精神専門看護師の役割の検討、多職種間の役割調整
第13~14回 精神保健医療福祉分野において直面する倫理的ジレンマとその調整方法(須賀原)
・看護倫理の歴史と発展、価値の対立と倫理的ジレンマ、倫理に関する理論
・精神看護実践における倫理課題を感じた事例の分析と倫理調整に向けての対応
・患者のアドボカシーを軸に、チーム医療における専門看護師の果たす役割について討議を行う。
第15回 エビデンスに基づく医療(奥野・須賀原)
ビックデータに基づくエビデンスとその活用方法、看護への応用、まとめ
Evaluation Methods and Policy 授業参加状況40%、プレゼンテーション30%、レポート30%により総合的に評価する。
Course Requirements 高度実践研究者養成プログラム専門看護師課程:精神看護学を専攻している者であること。
Study outside of Class (preparation and review) 授業時間内に詳細は提示する。各講師の提示する課題を確認し、事前・事後の自己学習を主体的に行うこと。
ディスカッションとプレゼンテーションにて授業を進めていくため、積極的に参加すること。
Textbooks Textbooks/References 各講師が適宜、指定する資料および文献
References, etc. 萱間 真美:リカバリー・退院支援・地域連携のための ストレングスモデル実践活用術、医学書院、2016
チャールズ・A・ラップ他、田中英樹(監):ストレングスモデル 精神障害者のためのケースマネジメント(第2版),金剛出版、2006
エリック・ペパー他、竹林直紀、六浦裕美(監):実践ワークブック新しい認知行動療法健康に生きるための18の秘訣、金芳堂、2010
加藤敏、八木剛平:レジリアンス現代精神医学の新しいパラダイム、金剛出版、2009
野中猛、野中ケアマネジメント研究会:多職種連携の技術(アート)―地域生活支援のための理論と実践、中央法規出版、2014
宇佐美しおり、野末聖香他、精神看護スペシャリストに必要な理論と技法、日本看護協会出版会、2009
五十嵐透子:リラクセーション法の理論と実際 ヘルスケア・ワーカーのための行動療法入門、医歯薬出版、2001
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