おもてなし経営論

Numbering Code P-MGT75 60448 LJ44 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Fri.4
Instructor name SHIMADA SATOSHI (Graduate School of Management Senior Lecturer)
Outline and Purpose of the Course 顧客接点の観点から、観光・サービスマネジメントを統合的視点で理解するインテグレイティド・ホスピタリティ教育の一環として授業を提供する。「おもてなし」とは「何を『以て』何を『為す』か、という接遇の表現と機能の対応付けはあるが、どのような接遇を行うかは未定のままであるという状態」である。そのため、「おもてなし」はしばしば日本的なサービスの価値の源泉として位置づけられる一方で、具体的な認識をすることが難しい。本講義ではサービスの事例やフレームワークに加え「おもてなし」に関する学問的取組の講義を通じて、「おもてなし」を単なる概念として認識するだけでなく、事業対象として理解することを目指す。
Course Goals 受講者が
- サービス/ホスピタリティ/おもてなしを俯瞰的に理解するとともに、関連するモデルやフレームワークに関する知識を獲得する
- ホスピタリティ産業を支える、顧客接点における価値共創の共通基盤を理解する
- 日本型クリエイティブ・サービス(暗黙知に基づく切磋琢磨の価値共創)が有する競争優位性を学ぶ
Schedule and Contents 第1回 ガイダンス ―おもてなし経営とは
おもてなしを主軸に据えた経営について概観し、規範や戦略・組織運営などの全体像を解説。

第2回 ホスピタリティ、サービス、おもてなし:概念の整理と位置づけ
各概念を整理し、概念間の関係や差異に対する理解を深耕。

第3回 おもてなしに関わる人的要素の特性と組織作り
おもてなし経営において構成される人的要素の特性、組織の特徴の説明。

第4回 サービス表現と視覚化による理解
サービスに対するモデル化や表現方法について概観すると共に、演習により理解を深耕。

第5回 演習(グループワーク):グループ分けと課題設定
講義内容を踏まえ、おもてなし経営が有する特徴を受講生間で議論し、対象とする領域や関連する事例(競合等に当たるビジネス)を検討。

第6回 サービス産業におけるリーダーシップとフォロワーシップ
旅館を題材に、リーダー(女将)とフォロワー(仲居)の関係性、人の配置、担う役割やその重要性について理解を深耕。

第7回 おもてなしによる顧客価値創出と知の継承のプロセス
おもてなしにより生じる顧客価値や事業の持続性、および、その実現に必要となる知の継承について解説。

第8回 顧客接点のサービス事業評価
事業としてのサービスが生み出す価値に対する多様な評価の観点(企業・顧客・社会など)について説明。

第9回 おもてなしと収益性
おもてなしを基盤とした事業形態が有する特徴、および、同形態がどのように収益へとつながるかについての説明。

第10回 演習(グループワーク):中間発表
これまでの講義を振り返り、受講生間で議論してきた、対象とする顧客像やビジネスモデルについて発表。

第11回 「おもてなし経営」の振り替えりと中間発表フィードバック
ここまでの講義内容に関し、理解が進んだところ、解釈が難しいところ、あるいは、グループワークを通じて事業として考えることで生じた疑問等について共有・整理し、おもてなし経営を深耕。

第12回 外部講師による事例紹介1
外部講師による、おもてなし(ホスピタリティ)に関わる事業開発の実際に関する紹介。

第13回 外部講師による事例紹介2
外部講師による、おもてなし(ホスピタリティ)に関わる事業開発の実際に関する紹介。

第14・15回 発表会・まとめ 
演習内容に関するグループごとの発表、および、全体のまとめ。事後アンケート実施。
Evaluation Methods and Policy 最終回のグループ発表(50%)、課題(20%)および平常点(30%)により行う。
平常点については出席を基本とする。課題の詳細についてはガイダンスの際に説明する。
Course Requirements 経営管理の基本知識を前提とする。
また、サービス創出方法論、サービスモデル活用論、研究・事業開発マネジメント、サービス経営論などの受講を推奨する。
Study outside of Class (preparation and review) 講義において獲得した新たな知識を、経営管理の他の知見に対して適切に位置づけるために、自身の言葉で概念を説明可能とするための復習が求められる。
References, etc. [1] 小林潔司,原 良憲,山内 裕,『日本型クリエイティブ・サービスの時代 -「おもてなし」への科学的接近-』,日本評論社,2014
[2] 姜 聖淑,『実践から学ぶ 女将のおもてなし経営』, 中央経済社,2013
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