情報システム・オペレーションズ

Numbering Code P-MGT75 50009 LJ55 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Wed.2
Instructor name MATSUI HIROYUKI (Graduate School of Management Professor)
Outline and Purpose of the Course  オペレーションズ・マネジメントとは、広義には仕事や企業活動全般を管理することと定義できるが、より限定して捉えると、企業の「ものづくり」と、「ものの流れ」に着目し、いつ、何を、どの位の量作るか、そして如何に効率的に消費者へ流通させるかという課題に、数学的な理論や方法論に基づいて最適な解を求め、適切な意思決定を行うことと考えることができる。さらに、最近では社会のサービス化の進展に伴い、「もの(プロダクト)」だけではなく、「サービス」の提供という多様な視点からの問題解決が求められるようになっている。
 現実社会の問題を数理的なモデルとして表現し、そのモデル上で最適解を求めることによって、社会の問題解決を図る方法は、一般にオペレーションズリサーチと呼ばれ、オペレーションズ・マネジメントの考え方の基礎の一つとなっている。 また、適切な意思決定を行うための理論と方法論についても、様々な理論と方法がある。さらに、顧客の嗜好の多様化や製品ライフサイクルの短縮化など企業を取り巻く環境が厳しい状況下では、製造と物流を統合的に捉える「サプライチェ-ン」の重要性が指摘されており、サプライチェーンの設計や計画、管理が、製造業のみならず多くの企業にとって重要課題となりつつある。特に、情報化・デジタル化の進展に伴い、情報システムは、サプライチェーンに関係するさまざまな分野に導入が進められ、また、サービス化にも大きな影響を与えており、その知識はオペレーションズ・マネジメントを学ぶ上で必須となっている。
 そこでまず、Ⅰ.企業活動に大きな影響を与えている情報システム(コンピュータシステム、ネットワークシステム、データベースシステム)や社会のデジタル化・サービス化に関する基礎的な知識、Ⅱ.適切な意思決定を行うための意思決定論(数理的意思決定、ゲーム理論)の基礎、Ⅲ.最適な解を求める方法論としてのオペレーションズリサーチ(数理計画法)の基礎的な知識の習得を目指す。それらの知識を踏まえ、Ⅳ.生産管理やサプライチェーンの諸問題(経済発注量モデル、確率的在庫モデル、鞭効果など)について、オペレーションズリサーチおよび数理的意思決定論の視点からの理解を目指す。さらに、ケース教材を用い、生産管理やサプライチェーンマネジメントの具体的な事例についても取り上げることで、オペレーションズ・マネジメント全般についての基礎的な知識の習得を目指す。
Course Goals  以下の項目で示すような、オペレーションズ・マネジメントに関する基本的な知識と問題解決能力を習得すること。
・現代社会における情報システムの役割、社会のデジタル化、サービス化を理解すること。
・経営上の課題・問題を数理モデル(数理計画法)として表現できること。
・基礎的な意思決定問題を定式化し解くことができること。
・在庫管理、生産管理、サプライチェーンマネジメントの基本を理解していること。
Schedule and Contents  具体的な講義の進め方としては、個々のテーマについて1~3回の授業を割り当て、予習レポート、質問レポート、演習課題レポートのサイクルを以下の予定に基づいて繰り返し、合計で15回の授業を実施する。さらに基礎知識の理解確認を行う最終試験を実施する。なお、受講者の理解の状況を踏まえ、講義の順序を変更する場合がある。

Ⅰ.情報システム論の基礎
 1.企業活動と情報システム
 2.社会のデジタル化・サービス化
Ⅱ.意思決定の基礎
 3.数理的意思決定論・ディシジョン・ツリー
 4.ゲーム理論とその応用
Ⅲ.オペレーションズリサーチの基礎
 5.数理計画法とその応用
Ⅳ.オペレーションズ・マネジメントの基礎
 6.在庫管理・サプライチェーンマネジメント
 7.生産管理
Evaluation Methods and Policy  オペレーションズ・マネジメントに関する基本的な知識と問題解決能力が習得できているかどうか、以下の方法で確認する。
 演習課題レポート(60%)+最終試験(40%)
Course Requirements  導入科目「基礎数学」程度の数学(微分・積分・線形代数・確率)を習得していること(「基礎数学」の具体的内容は、導入科目に関するWebページを参照すること)。表計算ソフト等を利用した演習を予定しているので、PCの操作等の基本的なコンピュータリテラシーについては修得していることが望ましい。
Study outside of Class (preparation and review)  具体的な授業は次の手順で行う。事前に用意する広義資料およびリーディングアサインメントを参考にして各自で予習を行い、可能であれば事前の質問レポート(予習レポート)を提出する。講義では、予習レポートを踏まえ講義を行う。講義中に対応出来なかった質問に対しては、質問レポートを提出する。質問レポートに対しては、次回の講義で対応を行う。さらに、テーマ毎の課題として理解を深めるための演習課題を課す。これら予習レポート、質問レポート、演習課題の3つをあわせて1つのサイクルとする。それぞれのテーマ毎に、以上のサイクルを6回程度実施し理解を深めてもらい、学期末に最終試験を課すことで、その確認を行う。
 なお、大学の単位についての標準学習時間(1単位=3時間×15週)の考えに基づき、予習・復習の想定学習時間は、講義の時間以外に、毎週4時間程度を標準として考えている。
Textbooks Textbooks/References 講義資料および関連資料はPandAで公開もしくは講義中に配布する。
References, etc. 教養としてのコンピューターサイエンス講義 今こそ知っておくべき「デジタル世界」の基礎知識, ブライアン・カーニハン/坂村健,酒匂寛, (日経BP社), ISBN:4822288730, 2020年
基本を学ぶ コンピュータ概論(改訂2版), 安井浩之,木村誠聡,辻裕之, (オーム社), ISBN:4274224686, 2019年
【図解】コレ1枚でわかる最新ITトレンド(新装改訂3版), 斎藤昌義, (技術評論社), ISBN:4297111454, 2020年
経営情報システム(第4版), 宮川公男,上田泰編著, (中央経済社), ISBN:4502091707, 2014年
経営情報学入門(放送大学教材), 木嶋恭一,岸眞理子, (放送大学教育振興会), ISBN:4595319517, 2019年
DX時代のサービスマネジメント~“デジタル革命"を成功に導く新常識, 官野厚, (技術評論社), ISBN:4297117347, 2020年
文科系のための意思決定分析入門, 上田秦, (日科技連), ISBN:4817150343, 2002年
意思決定論 基礎とアプローチ(新版), 宮川公男, (中央経済社), ISBN:4502677701, 2010年
定量分析実践講座―ケースで学ぶ意思決定の手法, 福澤英弘, (ファーストプレス), 2007年
ビジネス意思決定-理論とケースで決断力を鍛える, 大林厚臣, (ダイヤモンド社), 2014年
基礎から学ぶ経営科学, 高井徹雄他, (税務経理協会), ISBN:4419045361, 2005年
オペレーションズ・リサーチ, 森雅夫・松井知己, (朝倉書店), 2004年
サプライチェーン経営入門(日経文庫), 藤野直明, (日本経済新聞社), ISBN:453210792X, 1999年
サプライチェインの設計と管理(普及版), 久保幹雄監修, (朝倉書店), ISBN:4254270232, 2017年
オペレーションズマネジメント, 髙桑宗右ヱ門, (中央経済社), ISBN:4502143111, 2015年
現代オペレーションズ・マネジメント: IoT時代の品質・生産性向上と顧客価値創造, 圓川隆夫, (朝倉書店), ISBN:4254275706, 2017年
ロジスティクス4.0 物流の創造的革新(日経文庫), 小野塚征志, (日本経済新聞社), 2019年
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