統計分析

Numbering Code P-MGT75 50008 LJ55 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Tue.4
Instructor name MATSUI HIROYUKI (Graduate School of Management Professor)
Outline and Purpose of the Course  世の中には様々な資料やデータが存在する。統計学は、集団現象に関するデータを収集し、その集団の特質をデータに基づいて記述・推測する方法に関する科学である。経営分野においては、投資戦略、品質管理や市場調査などに加え応用範囲も広く、また近年ビックデータやデータサイエンスで注目されているように、統計学の知識や活用能力は重要性を増している。特に、膨大なデータが氾濫する今だからこそ、データが語っている現実を正しく理解し、他人のデータ解釈に騙されて判断を誤らない、そんな目が必要とされる。そのような目を与えてくれるのが、基本的な統計の考え方となる。
 本講義では、 統計学について全く知識のないか、あるいは大学で学んだけれども忘れてしまったという水準から始め、実証分析における客観的分析手法としての統計学の基本的な考えを理解した上で、実務において、重要性が高い分析手法に限定して習得することによって、データを正しく収集・分析し、適切な評価・判断を下せる能力を身につけることを目指す。そこで、単に公式を暗記するのではなく、統計学の考え方を理解した上で、実際に実務で利用できるようになることに重点を置く。
Course Goals  以下に示すように、客観的分析手法としての統計学の基本的な考えを理解し、実務で活用できることを目指す。
1)記述統計の理解(調査や実験・試験によるデータ収集の作法、データの種類や性質に応じたデータ確認と要約)
2)推測統計の理解(仮説検定や推定の原理、平均値および分散の推定および仮説検定、A/Bテスト)
3)これらの手法を用いて、実務において、データを正しく収集・分析し、適切な評価・判断を下せる能力(PCを用いたデータ分析、統計処理を含む)
Schedule and Contents  講義内容で取り上げるテーマは、以下の通りとする。個々のテーマについて、関連内容を交えて1~3回の授業を割り当て、合計で15回の授業を実施する。またPCを用いた統計分析ソフトを用いた実習を行う。さらに、基礎知識の理解確認を行う最終試験を実施する。
 なお、経営管理大学院の所属プログラム毎に必要とされる確率・統計能力が異なることを踏まえ、プログラム毎に合わせた演習課題、事例、ケースを演習等で取り上げ、必要に応じて補講を行う。また、受講者の理解の状況を踏まえ、講義や実習の順序を変更する場合がある。

1.統計学とは何か
2.記述統計:データを収集・整理する
3.記述統計:データを要約・分析する
4.推測統計:平均・割合を推定する(正規分布、t分布)
5.推測統計:平均・割合を検定する(z検定、t検定、ウィルコクソン検定)
6.推測統計:独立性を検定する(分割表、χ2分布)
7.推測統計の理論(確率分布、大数の法則、中心極限定理)
8.実務への応用(A/Bテスト、回帰分析、因果推論)
Evaluation Methods and Policy  講義中に課す演習課題レポート(40%)+最終試験(30%)+最終レポート(30%)
 講義に関する演習課題レポート(2021年度は5回程度を予定)を課し、その提出を求めることで、基本的な内容の理解を深めた上で、最終試験によって基本的な知識の習得を確認する。さらに、最終レポートとして、現実のデータを用いた分析レポートを作成することで、実践的な統計分析能力を確認する。
Course Requirements  導入科目「基礎数学」程度の数学(微分・積分・線形代数・確率)を習得していること(「基礎数学」の具体的内容は、導入科目に関するWebページを参照すること)。
 なお、最終レポート課題は、少なくとも表計算ソフトまたは統計分析ソフトを利用しなければ処理が困難なデータサイズを想定しているので、PCの操作等の基本的なコンピュータリテラシーについては習得していることが望ましい。
 表計算ソフト(Excel等)および統計分析ソフト(JMPまたはgretlまたはR)を利用した演習を予定している。これらのソフトは、大学のPC実習室でも利用可能であるが、本講義で利用予定の統計分析ソフトのgretl(http://gretl.sourceforge.net/index.html)、R(https://www.r-project.org/)はフリーソフトウェアであり、 またJMP(https://www.jmp.com/ja_jp/home.html)については、京都大学でライセンスを有しているので、学生自身のPC(Windows, Mac)にインストール可能である。自宅での学習のためにも、好みの統計分析ソフト(上記以外の他のソフトでも構わない)と表計算ソフト(EXCEL、Numbers等)を、各自のPCにインストールして利用できるようにしておくことが望ましい。
Study outside of Class (preparation and review)  原則として講義資料および講義の理解を助ける関連資料は講義前に公開し、各自で予習を行うこと。その上で、復習を兼ねた演習課題を課す。また、必要に応じ表計算ソフト(Excel等)や統計分析ソフト(gretl、JMP、R等)を利用した演習を課す場合もある。
 なお、大学の単位についての標準学習時間(1単位=3時間×15週)の考えに基づき、予習・復習の想定学習時間は、講義以外に、毎週4時間程度を標準として考えている。
Textbooks Textbooks/References  講義資料および関連資料はKULASIS/PandAで公開もしくは講義中に配布する。
References, etc. マンガでわかる統計学, 高橋信,トレンドプロ, (オーム社), ISBN:4274065707, 2004年
マンガでわかる統計学 素朴な疑問からゆる~く解説 (サイエンス・アイ新書), 大上丈彦,メダカカレッジ他, (SBクリエイティブ ), ISBN:479734251X, 2012年
マンガでわかる統計学入門, 滝川好夫, (新星出版社), ISBN:4405102511, 2014年
1歩前からはじめる「統計」の読み方・考え方 第2版, 神林博史, (ミネルヴァ書房), ISBN:4623084787, 2019年
ここからはじめる 統計学の教科書 , 高橋麻奈, (朝倉書店), ISBN:4254121903, 2012年
はじめての統計学, 鳥居泰彦, (日本経済新聞社), ISBN:4532130743, 1994年
実践する統計学, 藪友良, (東洋経済新報社), ISBN:4492470859, 2012年
まずはこの一冊から 意味がわかる統計学 (BERET SCIENCE) , 石井俊全, (ベレ出版), ISBN:4860643046, 2012年
最良の学び直しとしての高校数学 ふたたびの確率・統計[1]確率編, 永野裕之, (すばる舎), ISBN:479910831X, 2019年
最良の学び直しとしての高校数学 ふたたびの確率・統計[2]統計編, 永野裕之, (すばる舎), ISBN:4799108468, 2019年
改訂版 日本統計学会公式認定 統計検定3級対応 データの分析, 日本統計学会 編, (東京図書), ISBN:4489023324, 2020年
[図解]大学4年間の統計学が10時間でざっと学べる, 倉田博史, (KADOKAWA), ISBN:4046041870, 2019年
まずはこの一冊から 意味がわかる統計解析, 涌井貞美, (ベレ出版), ISBN:4860643453, 2013年
道具としての統計解析, 一石賢, (日本実業出版社), ISBN:4534037058, 2004年
コア・テキスト統計学 第3版, 大屋幸輔, (新世社), ISBN:4883843076, 2020年
基本統計学 第4版, 宮川公男, (有斐閣), ISBN:464116455X, 2015年
統計学入門 基礎統計学Ⅰ, 東京大学教養学部統計教室, (東京大学出版会), ISBN:4130420655, 1991年
1冊でマスター 大学の統計学, 石井俊全, (技術評論社), ISBN:4297101122, 2018年
改訂版 日本統計学会公式認定 統計検定2級対応 統計学基礎, 日本統計学会 編, (東京図書), ISBN:4489022271, 2015年
ビジネス統計学〈上〉, Amir D. Aczel,Jayavel Sounderpandian/鈴木一功,手嶋宣之,原田喜美枝, (ダイヤモンド社), ISBN:4478470928, 2007年
ビジネス統計学 原書6版, デビッド・M・リヴィーン,ティモシー・C・クレーベル,マーク・L・ベレンソン/前田祐治, (丸善出版), ISBN:4621088912, 2014年
統計学が最強の学問である, 西内啓, (ダイヤモンド社), ISBN:4478022214, 2013年
その数学が戦略を決める(文春文庫), Ian Ayres/山形浩生, (文藝春秋), ISBN:416765170X, 2010年
シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」, ネイト・シルバー/川添節子,西内啓, (日経BP社), ISBN:4822249808, 2013年
データ分析の力 因果関係に迫る思考法(光文社新書), 伊藤公一朗, (光文社), ISBN:4334039863, 2017年
「原因と結果」の経済学―データから真実を見抜く思考法, 中室牧子,津川友介, (ダイヤモンド社), ISBN:447803947X, 2017年
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