5245006History of Western Philosophy
Numbering Code | G-LET04 75245 SJ34 | Year/Term | 2022 ・ First semester | |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Seminar | |
Target Year | Target Student | |||
Language | Japanese | Day/Period | Fri.3 | |
Instructor name | KAGEYAMA YOHEI (Part-time Lecturer) | |||
Outline and Purpose of the Course | 本演習では、Martin Heideggerの四つのテキスト(Sein und Zeit, Kant und das Problem der Metaphysik, Beitraege zur Philosophie, Unterwegs zur Sprache)の必要箇所を精読し、現象学的存在論における人間の位置を考察する。これと並行して、京都学派の著作(西田幾多郎『善の研究』/『場所的論理と宗教的世界観』、田辺元「人間学の立場」/「生の存在学か死の弁証法か」、九鬼周造「日本詩の押韻」)の必要箇所を参照し、現象学との関係を考察する。現象学的存在論における人間概念は「有限性の超越論」(フーコー)や「人間中心主義」(デリダ)と理解されがちであり、こうした理解はミシェル・アンリなどフランス現象学の歴史的展開と大なり小なり連動している。しかし、ハイデガーの思索の変容はこうした解釈に収まらない人間論の可能性を示唆する。本演習では、京都学派との関係に力点を置くことで、現象学的存在論のこうした潜在力を、なにがしか異質な歴史的地平との関係から検討したい。 | |||
Course Goals |
1.演習での訳読作業により、現象学の古典的著作を原書で読解するための語学力を身につける。 2.現象学のテクストの精密な読解と、これを各自の研究に活用するための方法を身につける。 3.ハイデガー哲学の根本問題とその哲学的意義を把握できるようになる。 |
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Schedule and Contents |
毎回一名の訳読と報告を行い、それにつづき教員が訳読とテクストの哲学的意義へのコメントを行い、その後は全員で討議する。以下に各回の講読予定を示すが、授業の進度はそのつど前後しうる。毎回2~3頁ほどハイデガーを講読する他、必要に応じて京都学派のテクストを参照する。 第一回 イントロダクション 第二回~四回 Sein und Zeit, Einleitungを中心に 第五回~七回 Kant und das Problem der Metaphysik. 図式機能論と自己触発論を中心に 第八回~十回 Beitraege zur Philosophie. 第五部 “Gruendung“と第八部”Seyn”を中心に 第十一回~十三回 Unterwegs zur Sprache. 論稿“Die Sprache”と”Das Wort”を中心に 第十四回 講読箇所に関する全体的考察 第十五回 フィードバック |
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Evaluation Methods and Policy | 平常点(授業への参加の質など 70%)と学期末のレポート(30%)で評価する | |||
Course Requirements | 第二外国語としてドイツ語を履修したことは絶対条件でない。だが、毎回ドイツ語のテクストを講読するので、ドイツ語初心者はできるかぎり早めに最低限の語学力を身につけるよう努めてほしい。 | |||
Study outside of Class (preparation and review) |
授業前には講読箇所を丁寧に読解し、語学上の事項と内容に関して検討することが必要。また各自の研究上の関心と関係づけて考えたい者は、授業中に提起する問いを準備してほしい。 授業後には、講読した箇所の内容をあらためて咀嚼し、各自の研究に活かしてほしい。 |
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Textbooks | Textbooks/References | 授業で講読箇所をコピーして配布する。ただし、Martin Heidegger, Sein und Zeit, Max Niemeyerは比較的廉価なので、できれば各自購入してほしい。 |