5131003Philosophy (Special Lectures)

Numbering Code G-LET01 65131 LJ34 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type special lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Thu.3
Instructor name SHINAGAWA TETSUHIKO (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course 哲学とは、ふだんあたりまえと思われていることがらを根本から考えなおす営みである。その問いは、経験によっては証明できず、経験を可能にする思索の枠組みを問う営み、形而上学へと私たちをいざなってやまない。本講義は20世紀のドイツ出身のユダヤ人哲学者ハンス・ヨナスの提示した問いを糸口・撚り糸として、伝統的な形而上学の問いが、上述の哲学の営みという意味で現代なおもっているアクチュアルな意味を探究する。
Course Goals ハンス・ヨナスは、ユダヤ-キリスト教の伝統からみて異教/異端の思想であるグノーシス思想の研究を出発点として、独自の生命の哲学、未来世代の人類に対する現在世代の責任、ホロコーストの後に神を考える可能性を考察した。このかなり独特な哲学者の思索を触発剤・撚り糸として(したがって、この哲学者についての「知識を得る」ことが本来の目的ではない)、本講義は、(1)哲学史の伝統的な思想の意味を新たに発見しようとする新鮮な感受性、(2)自明と思われていることをあらためて考えなおす柔軟な思考力、を養うことを目的としている。
Schedule and Contents 第1回 イントロダクション 本講義の問題設定
第2回 ハンス・ヨナス――その哲学史的位置づけ
第3回 古代・中世から近代へ――目的論的自然観から機械論的自然観へ
第4回 グノーシス思想――キリスト教発生と同時代にあった別の信仰の可能性。この世界は荒れ地か
第5回 自由の問題――自由、悪、個
第6回 デカルト――真理の明証説と他者としての神
第7回 カント――形而上学批判とそれでもなお残る自然の目的についての臆測
第8回 フッサール――他者としての人間。相互主観的真理観の成立。
第9回 ハイデガー――実存分析と形而上学批判
第10回 ヨナス(1)――実存分析とグノーシス思想との結合
第11回 ヨナス(2)――人間を自然のなかに位置づける自然哲学の試み
第12回 ヨナス(3)――地球環境危機と未来倫理。人類が存続すべき理由
第13回 ヨナス(4)――アウシュビッツ以後の神。もはや救済する神はいない
第14回 ヨナス(5)――宇宙論。妄想か、正統的な問題提起か。
第15回 反時代的な思想がもっている時代性
Evaluation Methods and Policy 授業への積極的な参加(40点)、レポート(60点)により評価する。レポートは、(1)主題が講義内容に対応する知識の的確な理解にもとづいているか、(2)主題としてとりあげた問題とそれにたいする見解とがどれほど論理的に結びついているか、を基準として評価する。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 講義中にとったノートをよく読み直すこと。
授業中に紹介した文献のなかで興味のもてたものについて、、自分で調べてレポート執筆に備えること。
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