1831004Buddhist Studies (Special Lectures)
Numbering Code | G-LET14 61831 LJ36 | Year/Term | 2022 ・ Second semester | |
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Number of Credits | 2 | Course Type | special lecture | |
Target Year | Target Student | |||
Language | Japanese | Day/Period | Tue.4 | |
Instructor name | FUNAYAMA TOORU (Institute for Research in Humanities Professor) | |||
Outline and Purpose of the Course |
『金剛般若経(こんごう・はんにゃきょう)』はインド中国で最もよく読まれた大乗般若経である。サンスクリット語原典には異なる数種があり、また中国で訳された漢訳にも複数種類ある。岩波文庫に収める漢訳とサンスクリット語原典が唯一のものではないし、岩波文庫の和訳も問題を含む箇所がある。この授業では、インド中国の大乗佛教を知るための素材として、『金剛般若経』のサンスクリット語原典・漢訳数種・チベット語訳を比較しながら、細かな相違を適確に理解する読解訓練を行いながら、特に漢訳諸本の訳語のニュアンス(含蓄)にどのような違いがあるかを、原文に即して理解できるようにすることを目指す。 またその基となる基本知識として、佛教漢語の特色・訳語(漢訳)の特異性・大藏経の使い方・佛教漢語の意味を確定するために行う常套的手法も身に付けるようにする。 |
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Course Goals |
一,仏典漢訳史(仏典漢訳の歴史的変異)の概略を理解する。 二,仏教漢語を伝統漢語と訳語の二面から扱うための方法論を身に付ける。 三,仏教漢語を上記二面から扱い,適切な現代語訳を作り,漢語仏典の読解力を向上させる。 あわせて次の3点を習得する。 1.大蔵経に関する知識と使用上の留意点。 2.仏教漢文の訓読法(佛教に特有の訓読の問題点を含む)。 3.電子化された一次資料の使い方と留意事項。 |
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Schedule and Contents |
第1回:前期のまとめ。無著菩薩造・達磨笈多訳『金剛般若論』中の達磨笈多訳経本 第2回:七世紀中期の玄奘訳『能断金剛般若波羅蜜経』の特徴 第3回:七世紀後期の玄奘訳『大般若経』の「能断金剛分」の特徴。玄奘両訳の関係 第4回:八世紀初頭の義浄訳『金剛能断般若波羅蜜経』の特徴 第5回:サンスクリット語原典中の相違 第6回:サンスクリット語原典と漢訳諸本の相違 第7回:特に際だった相違箇所の諸本を比較検討する(1) 第8回:特に際だった相違箇所の諸本を比較検討する(2) 第9回:特に際だった相違箇所の諸本を比較検討する(3) 第10回:特に際だった相違箇所の諸本を比較検討する(4) 第11回:チベット語訳から知られる特色 第12回:『金剛般若経』の登場する漢語の佛教説話(1) 第13回:『金剛般若経』の登場する漢語の佛教説話(2) 第14回:『金剛般若経』の登場する漢語の佛教説話(3) 第15回:後期の総括および通年のまとめ |
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Evaluation Methods and Policy |
平常点(原文精読を必ず一度は担当する。積極的に意見と質問を提起する)。 自らの疑問や調べた内容について発言し、出席者たち全員に意見交換を促す。 |
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Course Requirements | None | |||
Study outside of Class (preparation and review) |
予習: 配布資料を基にして,授業で精読する箇所を下読みし,自分自身の訳を準備しなさい。 |
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Textbooks | Textbooks/References |
教科書は使用しません。 授業は毎回,配布資料を作成し,それに基づいて原文を読み,現代語訳を作ります。 個別事項や内容に関して参照すべき図書や論文があれば,授業中にその都度知らせます。 特に必読の論文はPDFを作成し、読むことを義務付けます。 |
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References, etc. |
仏典はどう漢訳されたのか:スートラが経典になるとき, 船山徹, (岩波書店,2013), ISBN:978-4-00-024691-0, 仏典漢訳史を知るための概説書として参照してほしい 般若心経 金剛般若経, 中村元・紀野一義, (岩波文庫、岩波書店), ISBN:978-4003330319, 鳩摩羅什の漢訳とサンスクリット語原典についての訳注 |