5631006Christian Studies (Special Lectures)

Numbering Code G-LET08 65631 LJ34 Year/Term 2022 ・ Intensive, First semester
Number of Credits 2 Course Type special lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Intensive
Instructor name HON IPYO (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course エドワード・サイードが『オリエンタリズム』(1978)を発表し、近世・近代における欧米の東洋世界への認識が批判された。アジア・アフリカなど欧米帝国主義によって植民地になった地域とその人々は非文明や未開として扱われ、このようなオリエンタリズム的な欧米の視点は帝国主義に便乗した欧米のキリスト教も共有した。また、欧米の「オリエンタリズム」は、明治維新以降、近代化および帝国建設を達成した日本にも導入され、いわゆる「日本型オリエンタリズム」として新たに内面化されて行った。「脱亜入欧」や「和魂洋才」などのスローガンの下で、帝国日本はアジア諸国と諸民族を欧米の立場と観点に基づいて認識し始めた。このような「日本型オリエンタリズム」の形成において、欧米のキリスト教、そして日本およびアジア各国のキリスト教はどのような影響を互いに与え、相互関係を結んでいたのか。そのことを究明するため「内地・内地人」と「植民地・土人」という新たな近代用語に注目し、考察する。
Course Goals 主に19・20世紀の欧米キリスト教のアジア宣教の歴史と思想的な刺激と影響についての基礎的な知識を身につけ、欧米のキリスト教が持っていた優越感による「オリエンタリズム」がアジア、特に帝国を建設した近代日本においてはどのように内面化し、アジア諸国に適用されたのかを分析し、今日のアジアキリスト教が直面している多様な思想的課題を再発見し、分析できるようになる。
Schedule and Contents ・本講義は基本的に以下の講義計画に基づく。尚、集中講義は8月最終週の5日間を予定しているが、正式な日程が決まり次第、KULASISを通じて連絡をする。
【第1回】「オリエンテーション:欧米キリスト教とオリエンタリズム」
【第2回】「欧米キリスト教による日本およびアジア宣教の歴史」
【第3回】「日本型オリエンタリズムの形成」
【第4回】「近代日本のアジア主義とキリスト教」
【第5回】「内地(人)概念の考案①:最初の他者、琉球と蝦夷」
【第6回】「内地(人)概念の考案②:明治維新と帝国建設」
【第7回】「内地(人)概念の考案③:植民地における受容」
【第8回】「内地概念とキリスト教」
【第9回】「Marginality・政事などの概念による分析」
【第10回】「土人概念の考案①:日本のキリスト者の植民地民理解」
【第11回】「土人概念の考案②:韓国のキリスト者の被支配理解」
【第12回】「土人概念の考案③:今日のキリスト教の課題」
【第13回】「差別と排除、西洋と東洋の隔てを乗り越える道」
【第14回】「アジア共同体の可能性とキリスト教の役割」
【第15回】「まとめと総括およびレポート等に関する解説」
Evaluation Methods and Policy ・平常点(授業への取り組み・発言など)・・・ 10点
・レポート・・・ 90点
・3回以上授業を欠席した場合には、単位を認めない。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) ・授業中に取り上げる書物や論文などの詳細については授業内にて説明する。
References, etc. 「アジア」はどう語られてきたか―近代日本のオリエンタリズム, 子安 宣邦 , (藤原書店), ISBN:978-4894343351, 2003年
東アジア・キリスト教の現在, 芦名 定道, (三恵社), ISBN:978-4864877862, 2018年
東アジア・キリスト教研究とその射程―無教会キリスト教を中心に, 芦名 定道, (三恵社), ISBN:978-4864879620, 2019年
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