5631003Christian Studies (Special Lectures)

Numbering Code G-LET08 65631 LJ34 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type special lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Wed.4
Instructor name SUGIMURA YASUHIKO (Graduate School of Letters Professor)
Outline and Purpose of the Course 「自覚」とは西田哲学の中心概念であり、かつ西田に始まる「京都学派」の哲学者たちが緩やかに共有する思考態度の表現である。だが、この語は元々「自己意識」に当たる西洋語の翻訳語として導入され、西田以前に一定程度使用されていたものであった。そのため、「アウグスティヌスの自覚」や「デカルトの自覚」といった表現が、違和感なく成り立ちえたのである。
だとすれば、京都学派の哲学を通して豊かに展開されたこの自覚概念を手引きとして、西洋哲学や宗教思想においてそれに対応する事象を見出し、それを自覚概念の光の下で新たに解釈し直すことも可能ではないか。本講義では、このような仕掛けを組みこんだ形で、宗教哲学を学ぶ上で重要な哲学・宗教思想の数々を年代順に通覧していくことによって、「自覚」論的観点から読み直された西洋哲学・宗教思想史の一端を提示してみたい。




 
Course Goals 1.「京都学派」の哲学者たちが緩やかに共有する「自覚」という思考態度について、その形成と背景、および哲学的可能性を理解する。
2.「宗教哲学」と呼ばれる学的形態を学ぶ上で土台となるような西洋哲学・宗教思想についての歴史的知識を身につける。
3.個々の思想家や思想的立場についての歴史的研究を、哲学的・宗教哲学的な思索へと連関づける仕方を学び、それを自らの学習や研究に役立てられるようにする。
Schedule and Contents 以下の諸テーマについて、一つのテーマ当たり2回程度の授業をあてて講義する。
(「特殊講義」という、教員の研究の進展を直接反映させることを旨とする授業であるので、1回ごとの授業内容を細かく記すことはしない。また、以下の諸テーマ自体も部分的には変更の可能性がある。)

1.「自覚」概念の形成と背景、およびその哲学的可能性
2.デカルトの自覚-コギトと神証明の自覚論的再考
3.メーヌ=ド=ビランの自覚-「内奥感の原初的事実」と自覚する身体 
4.カントの自覚-「超越論的統覚」から「根源悪」論まで
5.ベルクソンの自覚-「純粋記憶の平面」の自覚論的再考
6.ハイデガーの自覚-自覚の場としての「現(Da)」
7.ユダヤ/キリスト教の自覚-「啓示」の自覚論的解釈

フィードバックの仕方については、授業中に告知する。
Evaluation Methods and Policy 学期末のレポートにより、到達目標の達成度に基づいて評価する。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 初回の授業の際に文献表を配布するので、自らの興味に応じていくつかのテクストを選んで精読し、自らの問いを携えて授業に参加できるように準備してほしい。また、各回の授業の後は、その回に扱った文献に目を通し、自分の思考を触発した部分を中心に、理解した事柄を自分の言葉でまとめ直すようにしてほしい。
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