5531004Philosophy of Religion (Special Lectures)

Numbering Code G-LET07 65531 LJ34 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type special lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Wed.4
Instructor name SUGIMURA YASUHIKO (Graduate School of Letters Professor)
Outline and Purpose of the Course 西谷啓治(1900-1990)は、西田、田辺の後の京都学派の第三世代を代表する哲学者であり、大乗仏教の伝統を換骨奪胎した「空の立場」から「ニヒリズム以後」の現代の思索の可能性を追究したその仕事は、没後30年を経て国内外で多方面からの関心を引きつつある。しかし、その全体を組織的に考察した本格的な研究は、まだほとんどないと言ってよい。
本講義は、この西谷宗教哲学の全体を通時的かつ網羅的に研究し、今後の土台となりうるような組織的な理解を形成しようとするものである。それによって、今日の宗教哲学がそこから何を受けつぐことができるかを、批判的に考究していくための拠点を手に入れることを目指す。
この研究は、昨年度後期から開始されたものであり、今期の授業はその続きであるが、来年度以降も後期の特殊講義をあて、数年かけて進めていく予定である。1924年の西谷の卒論を扱った昨年度に続いて、今年度は1930年代までの諸論考を主に扱っていきたい。
Course Goals 1.西谷宗教哲学の生成と展開を詳細にたどることによって、難解な西谷のテクストを正確に理解し、その思想の特質を把握できるようになる。
2.一人の哲学者の思索の展開を多面的な連関の中でとらえ、重層的に理解していくための方法論と視座を身につける。
3.宗教哲学や日本哲学についての研究を、他のさまざまなアプローチと拙速に切り離さず、問題連関や時代連関を意識しつつ多様な絡み合いの中で遂行していくことの意義と必要性を理解する。
Schedule and Contents 以下の諸テーマについて、一つのテーマ当たり2~4回の授業をあてて講義する。
(「特殊講義」という、教員の研究の進展をダイレクトに反映させることを旨とする授業であるので、1回ごとの授業内容を細かく記すことはしない。また、以下の諸テーマにしても、細部については変更の可能性がある。)

1.導入―西谷宗教哲学の受け取り直しのために
2.卒論の到達点と西谷宗教哲学の端緒―昨年度の授業の要約
3.「悪の問題」への着手―西谷宗教哲学の導きの糸として
4.哲学的神秘主義と根源的主体性―前期西谷宗教哲学の二つの焦点
5.真に「現(Da)」なる処-『アリストテレス論攷』とハイデガーのアリストテレス論の並行的読解

なお、最後の授業は、本学期の講義内容全体をめぐる質疑応答と議論の場とし、講義内容の受講者へのフィードバックを図る。
Evaluation Methods and Policy 学期末のレポートにより、到達目標の達成度に基づいて評価する。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review)  初回の授業で、今学期に扱う西谷の主要テクストと参考・関連文献を指示するので、自分の関心を引くものに目を通し、自分なりの問いを携えて授業に臨んでほしい。各回の授業の後は、その際に扱った内容を自分の言葉でまとめ直し、必要に応じて参考文献も参照しつつ、自分の関心事との接点を組織的に探っていってほしい。
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