1831006Buddhist Studies (Special Lectures)

Numbering Code G-LET14 61831 LJ36 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type special lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Thu.5
Instructor name MUROJI YOSHIHITO (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course  前期授業で扱った各テキスト箇所の解読内容との吟味を行いつつ、継続して『瑜伽師地論』におけるアーガマ解説を文献学的に分析する。併せて、ブッダは瞑想実践中に一切世界の有情/衆生を個々に見定めたとき、悲しみ(カルナー)の極みに至り、あらゆる生き物が苦しみから脱(のが)れてあれかしとの思願を発する。後の仏教徒たちによって、「大悲」(マハー・カルナー)という用語で語り継がれ、大乗仏教徒たちの理想像である「菩薩」の思願と重ね合わされるようになる。この「大悲」について、『瑜伽師地論』における解説の分析を目的として、大乗の初期経典(例えば、『八千頌般若経』『無量寿経』『十地経』)、アビダルマの諸論書、並びに、中観派の諸論書(特に、『プラサンナパダー』)における理解の仕方・捉え方を比較しつつ、前期に引き続き、思索を深めて行く。
 なお、学位論文(卒業論文、修士論文、並びに、博士課程論文)の作成を目指している受講者との相談のうえで、そのそれぞれの研究対象テキスト(の一部)を精読することも考える。
Course Goals  サンクリット原典テキスト、並びに、チベット訳・漢訳の翻訳テキストに対する文献学的分析手法を習得する。
Schedule and Contents  基本的に下記の項目内容に沿った形で、まず、ブッダが瞑想中に発した悲しみの思願、そして、その思願を表現した「大悲」についての経典伝承、大乗経、並びに、諸論書における「大悲」についての理解の概要を講義し、次いで、テキストの精読へと進む。
第1回「大悲」についての概説、特に、パーリに伝わる「梵天勧請」について
第2回 (1) アビダルマにおける「大悲」の教義解釈
第3回 (2) 初期の大乗経における「大悲」の捉え方
第4回 (3) 大乗の諸論書における「大悲」の捉え方
第5回~第15回 サンスクリット・テキストの講読
 第5回から第15回は、『阿毘達磨倶舎論』における基本的な「大悲」についての教義解釈をサンスクリット原典から確認する。その上で、「大悲」を謳う大乗経(『八千頌般若経』『無量寿経』『十地経』など)、並びに、大乗の諸論書(『プラサンナパダー』など)のサンスクリット・テキストを精読して行く。
 なお、後期後半でも、前期同様に、学位論文(卒業論文、修士論文、並びに、博士課程論文)の作成を目指している受講者と相談の上で、そのそれぞれの研究対象テキスト(の一部)を精読することを考える。
Evaluation Methods and Policy 平常点。
各授業での講読担当者を予め定めて発表してもらいます。
テキスト解読に対する文献学的な緻密・正確度をもって評価します。
Course Requirements サンスクリット語、パーリ語、古典チベット語を履修済みであること。
Study outside of Class (preparation and review)  授業では講読担当者を予め定めて発表してもらいますが、担当者以外も自らサンスクリット・原典テキスト、並びに、比較吟味すべきチベット訳や漢訳も併せて読み比べ、予習した上で、授業に臨むこと。
Textbooks Textbooks/References テキスト(サンスクリット原典、チベット訳、漢訳、並びに、校訂テキスト)は、適宜、コピー配布します。
PAGE TOP