6931009European History (Special Lectures)

Numbering Code G-LET26 66931 LJ38 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type special lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Wed.3
Instructor name MISE HARUKA (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course  近世フランス王国は王権が社団を介して統治する社団編成国家であり、政治的主権者としての国民によって構成される「国民国家」ではなかった。しかし、近世には国王を中心とした国家形成のなかで、国王の支配に服す臣民共同体としてのナシオンと、それに対置される「外国人」の概念が創出され制度化されたことはあまり知られていない。さらに、重商主義的競争を背景とする国家の経済発展への欲求は、技術移転や商業振興のための外国人招聘政策と強く結びつく反面、国家の利益保護のための外国人の排除や、治安維持のための外国人監視、徴税請負契約にもとづく外国人の遺産没収も行われていた。この授業では、近世フランスにおける君主制主権国家の形成と発展を外国人史の観点からとらえなおすことを試みる。それによって、従来の研究で十分に論じられてこなかった、近世フランスにおけるナショナルな帰属のもった意味や重みを再評価することを目的とする。
Course Goals ・近世フランス王国の歴史に関する基本的な事項を理解し、説明できるようになる。
・近世国家の特徴を多角的に説明できるようになる。
Schedule and Contents 第1回 導入:先行研究と問題提起
第2回 中世末期における君主制主権国家の形成と外国人
第3回 外国人の法的地位
第4回 外国人の帰化
第5回 重商主義と外国人
第6回 フランス植民地と外国人①:フランス植民地政策
第7回 フランス植民地と外国人②:排他制と外国人
第8回 外国人の監視と統制:パリの事例を中心に
第9回 外国人遺産取得権の実施①:司法制度と史料
第10回 外国人遺産取得権の実施②:対象となった外国人
第11回 外国人遺産取得権の実施③:外国人の回避戦略
第12回 外国人をめぐる言説①:臣民共同体からの「自然」な排除
第13回 外国人をめぐる言説②:啓蒙期のコスモポリタニズムと外国人
第14回 フランス革命と外国人
第15回 総括とフィードバック
Evaluation Methods and Policy 最終試験(70点)、授業への参加状況(30点)
・授業の最後に授業の理解度をはかるためのリアクション・ペーパーを書いてもらうので、その内容により授業への参加状況を判断する。
・最終試験(筆記)を実施する。
Course Requirements  授業に参加する前提として、近世フランス史の大まかな流れについて概説書などで予習しておくことが望ましい。
Study outside of Class (preparation and review) ・授業で関連文献を紹介するので、それらを読んで授業内容の理解を深めるよう努めること。
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