Law of International Business Transactions B
Numbering Code | G-LAW10 8A567 LJ41 | Year/Term | 2022 ・ Second semester | |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture | |
Target Year | Master's students | Target Student | ||
Language | Japanese | Day/Period | Thu.2 | |
Instructor name | NISHITANI YUUKO (Graduate School of Law Professor) | |||
Outline and Purpose of the Course | 国際取引法・国際私法に関する基本文献を講読し,研究を行うのに必要な基礎的素養を身に付けることを目的としている。 | |||
Course Goals | 外国語文献の講読を通じてトレーニングを受けることで,自分で外国文献を読みこなし,論文執筆の際にも独立して作業を進めることができる力を付ける。 | |||
Schedule and Contents |
本授業においては,受講者とともに英語に関する文献を講読し,英語でディスカッションすることを通じて,法理学,比較法及び国際私法に関する基礎的知識を身に付けるとともに,主体的に考え,論理的に議論する能力を身に付けることをめざしている。受講者の興味と関心に応じて,取り上げる文献を決定する。 第1回 グローバル・ガバナンスと法の役割 グローバル化の中で生起する新たな課題,特に法多元主義や非国家法の役割,宗教と法の関係などについてどのように解決策を見つけ,理論的に基礎付けられるかを考察する。 第2回 法多元主義(1) 法多元主義の基本的考え方について,日本と諸外国の議論状況を比較しながら考察する。 第3回 法多元主義(2) 国際取引法を素材として,レークス・メルカトーリアや商慣習,自主規制などの事象を取り上げながら,法多元主義の意義について考察する。 第4回 法多元主義(3) UNCITRALによるモデル法や原則などの非拘束的法文書について検討する。 第5回 法多元主義(4) 国際取引を円滑化するために,私法統一の手段がどこまで役立ち,法の多元性を解消することが重要であるかについて考察する。 第6回 法多元主義(5) SDGsと国際社会におけるビジネスと人権を素材として,法規範の多元性の止揚と共通価値の実現の重要性について論ずる。 第7回 法多元主義(6) 国際的な文化財保護をめぐる諸問題と多元的な規範,各国家の利益とアイデンティティーの尊重について論ずる。 第8回 宗教と法(1) 移民と国際家族関係をめぐる諸問題について,イスラーム法上の特殊な家族制度(一夫多妻制,児童婚,タラーク離婚など)の扱いも視野に入れながら,多角的に検討する。 第9回 宗教と法(2) 英国におけるシャリーア法廷や米国におけるラビ法廷を中心に,家族関係における法多元主義の意義について考察する。 第10回 宗教と法(3) 国家と教会又は宗教組織の関係について,歴史的な発展の経緯を探りつつ検討する。 第11回 グローバル化社会と紛争処理(1) 国際商事仲裁の基本について論ずる。 第12回 グローバル化社会と紛争処理(2) アジア地域における仲裁手続の特徴について,香港及びシンガポールを中心に論ずる。 第13回 グローバル化社会と紛争処理(3) 国際商事調停の仕組みと仲裁との組み合わせによる"Med-Arb"や"Arb-Med"のあり方について,2018年シンガポール条約による承認執行の枠組みも視野に入れたうえで,多角的に検討する。 第14回 グローバル化社会と紛争処理(4) 仲裁手続の特徴について,投資仲裁に関する既存の法的枠組みとその特徴について検討する。 第15回 グローバル化と法の多元性の変容(総括) 以上の授業内容を総括する形で,グローバル化と法の多元性がどのように変容・発展しつつあるかを考察する。 |
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Evaluation Methods and Policy |
平常点による。 法学研究科が定める成績評価の方針に従って到達目標の達成度を評価する。 |
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Course Requirements | None | |||
Study outside of Class (preparation and review) | 授業で取り上げる箇所の予習及び担当箇所の報告準備。 | |||
Textbooks | Textbooks/References | 使用する文献等は,受講者の興味と関心,理解度,並びに日本及び諸外国における議論状況を見ながら,随時指定する。 |