業務要件定義実践

Numbering Code Year/Term 2022 ・ Intensive, year-round
Number of Credits 1 Course Type Seminar
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Intensive
Instructor name MAEGAWA YOSHIKAZU (Graduate School of Management Program-Specific Professor)
FUJITA TETSUO (Graduate School of Management Program-Specific Professor)
Outline and Purpose of the Course ユーザー視点のITシステム設計実践
(英訳) IT System Design Practice in Business

システムやソフトウェアの開発プロセスを分解すると、次のように分けられる。
A. 問題点やニーズを見つけ出し、それへの解決策を練ること
B. その解決策をシステムやソフトウェアに実装できるように定義すること
このうちAを実践する有力なツールに「デザイン思考」がある。また、Bのプロセスは専門的には「業務要件定義」と呼ばれ、現場の要求を正確にプログラマーに伝える重要なやり取りである。なお実際にはこの後に、プログラミングしてそれを実現することが続く。本科目では、このBにあたる「業務要件定義」を「ユーザー視点のITシステム設計実践」としてとらえ、講義と演習によって習得する。
 デザイン思考などの手法によって問題点やニーズとそれへの解決案ができたら、次は「要件定義」、すなわち実現するシステムやソフトウェアの機能や満たすべき性能を明確にしていくことが必要となる。この過程がプロジェクトの成否の鍵を握るといっても過言ではない。業務要件定義は、システムやソフトウェアによって何の問題を解決したいかという問いを定義する活動であるとも言える。
 本講義では、システム開発に携わる、ユーザ側、システム開発者側それぞれの視点を体感しながら、業務要件定義の重要性、陥りがちな罠、押さえるべきポイントについて実践を通して習得する。特に「結果を知るスピード」を重視したビジネス開発手法であるアジャイル(ビジネス部門のコントロールの下、小さな開発・フィードバックといった改善サイクルを通じて柔軟に方向転換し、ユーザの要望を取り入れることができる)を主として扱う。

【情報学ビジネス実践プログラム科目】協力企業(ANAシステムズ、NTTデータ、DMG森精機、東京海上日動火災保険、三井住友銀行・日本総合研究所、日本電気)と設立した「情報学ビジネス実践講座」にて行う「ビジネス経営ITコース」の科目であり、本コースはビジネスにおける第一線のITを企業経営と結び付けて学ぶことが可能。詳細は講座ホームページ(http://www.pib.i.kyoto-u.ac.jp)参照
Course Goals 「ユーザー視点のITシステム設計実践(業務要件定義実践)」を理解し、おかれている状況に対して有効な手段で業務要件定義においての合意形成をはかることができるようになる。
Schedule and Contents ● 要望を出すユーザ側、開発するIT従事者側の両方を想定した、総合的な演習とする。
● 演習で作成した要件定義により、実際に開発されたアプリケーションを体感することで、理解を深める。
● 本講義は「ユーザー視点のITシステム設計実践」であるため、講義ではプログラム開発は実施しない。

8コマの集中講義を以下のような構成で進める。但し、学習の理解度に応じて内容を変更する場合がある。
1.要求開発とは
(1)全体説明
(2)ウォータフォール開発に関する講義
  ・ウォータフォールの開発手法である要件定義から機能テストまで各開発工程ごとにポイントを学ぶ。
  ・プロセスだけでなくUI/UXへの考慮やテストの重要性なども含めて学ぶ。
(3)アジャイル開発に関する講義
  ・アジャイル開発に必要となる主な手法についてポイントを学ぶ。(ユーザーストーリー、プロダクトバックログ、プランニングポーカー、テスト駆動開発)
2.アジャイル開発に関するケーススタディ
(1)グループに分かれて、WEBアプリの要件定義を作成する。
  ・ユーザーストーリーマッピング、画面遷移図・画面レイアウト、プロダクトバックログ、の作成
  ・このケーススタディから実際にアプリケーションを開発する。(講師側で用意)
(2)前日のケーススタディから実際に開発されたアプリケーションをレビューする。
  ・開発された実際のアプリ(モックアップ、プロトタイプ)を触りながら、当初想定とのかい離を確認し、原因について議論する。
  ・要件定義のGOOD/BAD POINTについての解説
3.全体解説とまとめ
(1)全体解説
(2)講師から解答例をデモを交えて紹介する
(3)まとめと質疑応答
非常勤講師の東京海上日動火災保険 村野 剛太氏は、1991年同社に入社、IT部門にてインフラとアプリケーション双方の企画・開発・運用に従事。2017年より同社 IT企画部 部長 兼 東京海上日動システムズ エグゼクティブオフィサー デジタルイノベーション本部長として、DXの前線でチャレンジを続けている。
Evaluation Methods and Policy 講義でのディスカション等への貢献度、プレゼンテーション等の内容、講義終了後に提出されるレポートにより総合的に判断する。
なお、講義時間(コマ)全体の2/3以上の出席がなければ、単位は付与しない。
Course Requirements 受講人数を制限することがあります。その場合、情報学ビジネス実践講座プログ
ラム(https://www.project.gsm.kyoto-u.ac.jp/pib/)登録者を優先します。
Study outside of Class (preparation and review) 受講に際し情報やITに関する特別の知識は必須ではないが、講義の効果を高めるため事前予習を課す場合がある。
Textbooks Textbooks/References 特に定めない。必要な資料は講義において配布する。
References, etc. ウォータフォール開発、アジャイル開発について書籍を各自で読んでおくこと。さらに推奨する書籍については講義内で紹介する。
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