原始・古代精神文化論

Numbering Code G-HUM35 5I102 LJ38 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year Master's students Target Student
Language Japanese Day/Period Wed.3・4
Instructor name TAMADA YOSHIHIDE (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor)
Outline and Purpose of the Course 考古学的手法を中心として、縄文時代から奈良時代までの日本の歴史の概論を基本とする。特に、日本列島に居住してきた人々の精神文化について明らかにしようというものである。その中で、安定的な居住を開始し、さまざまな遺構や遺物にみられるように世界的にも独特な精神文化を展開させた縄文時代を主たる対象として、その世界を解き明かす。また、必要に応じて他の時代との比較検討も行うこととし、縄文時代の精神文化の独自性を考察していくとともに、それが現在日本の精神文化の大きな基底の一つとなっていることを明らかにする。
Course Goals 日本文化の基層にある事象について、基礎的な知識を習得し、理解を深めることができる。
一見単純に見える事象が実は多方面と関連があることを知り、歴史や文化に対する総合的な観察力、理解力を養成する。
Schedule and Contents まず精神文化論の前提として、縄文時代の時期区分や特質などの時代像について概説し、受講にあたっての基礎的な知識の習得を行う。
次いで総論として、縄文時代の精神文化を草創期から晩期にかけて時期を追いながら概観し、どの様に発展、変化していったのかを考察する。その際は、各時期の代表的な遺跡に焦点を当て、そこでみられる事例からどの様なことがわかるのか、という手法を用いるなど、受講生に理解しやすい形態をとる予定である。また、時期によっては環状列石や配石遺構などの特殊な遺構が存在する場合もあり、それらの分析を通じ、特定の集団が保有する精神文化について明らかにしていく。合わせて、人間の活動や思想を如実に示すものとしての集落や墓地の様相、あるいは地域間交流についても概観し、そこから導き出される共同体として共有する意識についても理解を深める。
時期的な概観が終了した後には、特論的なものとして、比較的長期にわたってみられる祭祀に関わる遺構や遺物に関して考察を行う。土偶や土版、各種石製品など、その出現から終焉まで通史的に取り上げ、用途や変遷を分析することにより、連綿と受け継がれる精神文化や精神文化の変容について考察する。その際、配石遺構などの長期間みられる遺構についても合わせて再度取り上げ、別の視点からも検討を加えることとする。さらに大陸の思想を受け入れて成立した奈良時代の精神文化なども紹介、比較検討し、現在の精神文化がいかにして育まれてきたのかについての視点を醸成することも重視したい。
このように本講座では、広く精神文化に関する事項を学ぶことにより、それは社会の紐帯を保証するものとして必須のものであったことを理解し、最終的には考古学的手法による文化の復原に資する視点と方法を身につけることとなるであろう。
また、必要に応じて臨地講義を行い、講義で解説した事例を実際に目で確認し、理解を深めることとする。
Evaluation Methods and Policy レポート提出による。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 参考書を読んでおくこと。
References, etc. 『日本の美術』縄文時代関連の巻, , (至文堂)
『史跡でたどる日本の歴史』第一巻など, 玉田芳英編, (吉川弘文館)
PAGE TOP