談話分析論

Numbering Code G-HUM34 5E015 LJ37 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year Master's students Target Student
Language Japanese Day/Period Tue.3
Instructor name YOKOMORI DAISUKE (Institute for Liberal Arts and Sciences Associate Professor)
Outline and Purpose of the Course 私達は、日々、言葉を使って生活しています。誰かを食事に誘ったり、仕事を依頼したり、知らないことについて尋ねたり、というように、私達は言葉を使うことを通じて様々な「行為」を遂行し、社会生活を成り立たせています。ところで、ある発言がやっている行為が「誘い」なのか「依頼」なのか「質問」なのかそれともそれ以外の何かなのかといったことは、どうやって決まるのでしょうか(話し手の側は、どのような工夫をすることで、自分の行為を他者にきちんとわかってもらえるのでしょうか。聞き手の側は、どのような手がかりを利用することで、他者の行為を読み取っているのでしょうか)。この授業では、会話における「行為」に焦点を当て、会話分析という学問分野の教科書講読とデータ分析実習を行います。そのような授業活動を通じて、会話という、一見ただごちゃごちゃした雑多な営みの中に構造とメカニズムを見出す分析スキルを養い、身の回りの日常会話はもちろん、SNSでのコミュニケーションやメディアで伝えられる著名人のやりとりなど、様々な相互行為を観察・理解するリテラシーを磨くことを目指します。
Course Goals ・現実の会話における言語使用の実態について理解を深める
・個々の語彙や構文が相互行為の中で果たす作用について分析できる
・「隣接対」「ターン(発話順番)」「リペア(修復)」「行為連鎖」など会話分析の基礎概念についての知識を理解する
・言語コミュニケーションの実例を観察して、会話分析の基礎概念を参照して分析を行うことができるようになる
・日常生活やメディアにみられるコミュニケーションに対して、学術的な視点から観察・理解を行うことができるようになる
Schedule and Contents データ分析実習と教科書の講読を交互に実施します。

第1回 [講義] 会話における行為とは?:言語行為論から会話分析へ
第2回 [実習] 会話を収録してみる
第3回 [講読] 第4章:連鎖組織 (pp.77-88)
第4回 [実習] 会話を文字化してみる
第5回 [講読] 第4章:連鎖組織 (pp.89-105)
第6回 [実習] 行為のペアをみつける
第7回 [講読] 第8章第4節:他者修復開始の発話形式 (pp.206-217)
第8回 [実習] 行為のペアを分類する
第9回 [講読] 第2章:行為の構成と理解 (pp.28-36)
第10回 [実習] 相互行為プラクティス(実践)を見つける
第11回 [講読] 第2章:行為の構成と理解 (pp.37-48)
第12回 [実習] 相互行為プラクティス(実践)を記述する(1)
第13回 [講読] 第11章:全域的構造組織 (pp.259-273)
第14回 [実習] 相互行為プラクティス(実践)を記述する(2)
第15回 [実習] まとめ(受講生プレゼン)
Evaluation Methods and Policy 授業課題(予習課題、データ分析実習、発表担当)への取り組み:40点
期末レポート:60点
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) ・(隔週)教科書の予習(教科書の読解を補助する設問に、オンラインフォームから回答を提出する)
・(隔週)データ分析実習の作業
Textbooks Textbooks/References 会話分析入門, 串田秀也・平本毅・林誠, (勁草書房, 2017年), ISBN:978-4326602964
References, etc. 会話分析の広がり, 平本毅・横森大輔・増田将伸・戸江哲理・城綾実(編), (ひつじ書房, 2018年)
やりとりの言語学, N.J.エンフィールド, (大修館書店, 2015年)
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