生活環境構成論2

Numbering Code G-HUM35 5I019 LJ74 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year Master's students Target Student
Language Japanese Day/Period Wed.3
Instructor name MAEDA MASAHIRO (Graduate School of Human and Environmental Studies Associate Professor)
Outline and Purpose of the Course 都市環境への多元的なアプローチの形成について,具体的な人物とその系譜・影響関係,現代的評価を踏まえて講義する。
都市に住まう私たちは、利便性、安全性、快適性、歴史性、文化性など、多元的な価値を享受している。都市政策は住宅、インフラのみならず、このような多元的な価値に作用する横断的な介入である。そして、その多元的な介入に一体性をもたらしているのが都市というローカルな空間のまとまりである。
一方で、都市空間は常に不平等と社会的排除を孕む。差別化された空間に対して先人たちは、多元的にであるが、住まいと仕事を軸としつつ介入し、理想とする社会の実現に賭けてきた。
この授業では、コミュニティ・デザインおよびハウジング・デザインの源流をたどり、先人の営みから現代の都市政策が学ぶべき事柄について理解する。
Course Goals コミュニティ・デザインの源流を成す1960年代アメリカの代表的なアーバニスト,社会活動家たちの思想と営みを理解する。1960年代は近代主義の行き詰まりから世界中で様々な社会問題が噴出した時代である。一方で,そのカウンターとして都市社会に関わる革新的な批評・言説,オルタナティブ,計画論が生まれた時代でもあり,世界に先駆けてメガシティが誕生したアメリカはその先端地の一つであった。
また、イギリスやアメリカを含む西洋諸国から多分に影響を受けてきた日本の住宅政策の成立と展開をたどり、日本の都市を形づくってきたハウジング・デザインの特質と課題について理解できるようになる。
Schedule and Contents 第1回 イントロダクション
■コミュニティ・デザイン
第2回 ジェーン・ジェイコブズ: 都市に多様性を取り戻す
第3回 クリストファー・アレグザンダー: パターン・ランゲージの実践
第4回 ロバート・モーゼス:アメリカ大都市のマスター・ビルダー
第5回 ソウル・アリンスキー: コミュニティ・オーガナイザー
第6回 クラレンス・スタイン : アメリカ田園都市運動の系譜
第7回 ジョン・デューイ:教育哲学とシカゴ大学実験学校
第8回 ハンナ・アーレント:異なる他者が共存する公共空間
第9回 グループ討論①
■ハウジング・デザイン
第10回 高度経済成長とマスハウジングの隆盛
第11回 1970年代におけるマスハウジングの軌道修正
第12回 1980年代における持ち家社会の完成
第13回 世紀末におけるマスハウジングの瓦解
第14回 グループ討論②
第15回 フィードバック
*授業の内容,順番については変更することがある。
Evaluation Methods and Policy 授業中に課す小レポート(30%)と期末レポート(70%)によって評価する。
Course Requirements 都市や住宅、コミュニティに関心がある学生に受講していただきたい。
Study outside of Class (preparation and review) 授業で配布する資料や紹介した参考文献について復習を行ったり、授業の内容を踏まえて日頃から都市や住宅について考察するなど、自分なりの関心に応じて学びを深めること。
なお,この授業では隔年で授業内容を変更しており,昨年は19世紀半ば-20世紀初頭イギリスの社会改良家(参考図書・山崎亮「コミュニティ・デザインの源流」),および日本の戦間期-第二次大戦復興期のハウジング(参考図書・住田昌二「現代日本ハウジングの前半に該当」)について扱った。参考図書の通読等を通じてあわせて理解することを勧める。
References, etc. 現代日本ハウジング史1914-2006, 住田昌二, (ミネルヴァ書房), ISBN:978-4623074099, 図書館での閲覧も可
必要に応じて指示、紹介する。
PAGE TOP