人間形成論2

Numbering Code G-HUM34 5A009 LJ47 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year Master's students Target Student
Language Japanese Day/Period Wed.2
Instructor name KURAISHI ICHIROU (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor)
Outline and Purpose of the Course  本講義では、子どもが学校から最大限の利益を得られることを目的とする社会事業・社会政策としての教育支援、特にそのルーツと目されるアメリカ合衆国のビジティング・ティーチャー(訪問教師)の存在に注目する。米国は世界の福祉国家の中では特異な発展を遂げた国である一方、その教育制度は開放的・単線型のものとして日本の学校制度にも影響を及ぼしている。講義では、革新主義という時代背景にも注意を払いながら、教育と福祉の交差点に誕生したビジティング・ティーチャー(現在はスクールソーシャルワーカーと名を変え世界中で活躍中)の現代的意義を考えていく。
Course Goals  教育福祉の重要な一角をなす教育支援の意義、可能性、限界を、米国のビジティング・ティーチャーの成立誌を手がかりに理解し、教育福祉の理解に不可欠の知識・教養を獲得すること。教育支援の理解に不可欠な、背景となる社会科学的素養を獲得すること。
Schedule and Contents 第1回:子どもをとりまく困難と教育福祉・教育支援の重要性
第2回:アメリカの学校教育の特性:日本との類似と相違点
第3回:アメリカ教育福祉の前史(植民地期から19世紀後半まで)
第4回:20世紀初頭アメリカの社会状況①:革新主義の潮流
第5回:20世紀初頭アメリカの社会状況②:児童救済運動、進歩主義教育運動
第6回:ビジティング・ティーチャー登場の背景:ニューヨーク市の動向
第7回:初期ビジティング・ティーチャーの活躍から制度化へ
第8回:アメリカにおける障害児者療養の前史(19世紀末まで)
第9回:ビジティング・ティーチャーと障害児特別学級の開始
第10回:アメリカのソーシャルワーク点描:映画『プレシャス』を視聴しながら
第11回:「精神衛生」運動ブームのなかのビジティング・ティーチャー
第12回:大恐慌から第二次大戦の激動期のビジティング・ティーチャー
第13回:ジム・クロウ体制下の南部におけるビジティング・ティーチャー
第14回:日本版ビジティング・ティーチャー先駆けとしての福祉教員
Evaluation Methods and Policy  教育福祉の重要な一角をなす教育支援の意義、可能性、限界に対する理解がどこまで深まったかを観点に、レポート試験の成績80%、平常点(授業への参加・態度)20%で評価する。
 素点(100点満点)評価を用いる。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review)  テキストを事前に購入し、指示されたページに事前に目を通しておくこと。
Textbooks Textbooks/References アメリカ教育福祉社会史序説:ビジティング・ティーチャーとその時代, 倉石一郎, (春風社), ISBN:978-4861104169
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