東アジア文化論演習4A

Numbering Code G-HUM35 5J090 SJ37 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Seminar
Target Year Master's students Target Student
Language Japanese Day/Period Tue.2
Instructor name SANO HIROSHI (Institute for Liberal Arts and Sciences Professor)
Outline and Purpose of the Course 「詞林采葉抄」(天理本、天明4年藤原貞雄写本)を読む。中世における万葉集享受にあって和歌の素材化がどのように行われているかを探索する。詞林采葉抄は万葉集の注釈としては異質なものではあるが、作歌目的での万葉集利用を想定した場合に、その項目に対する背景文脈についての認識、証歌の挙げ方に認められる意図を考える。また、歌学史に関連して、日本古典文学史について総合的な知見を必要とする。輪読する本書は万葉集の注釈書ではあるけれども、注釈の前提となるものには当時の時代性を含めた中世文学の説話や俗説、あるいは古今伝授関連資料との影響関係が認められる他、日本書紀、古事記といった神話文脈についても関説することが多い。したがって、詞林采葉抄というテキストの読解を通して、広範な日本文学の知識を動員する必要があるため、古代から近世までの種々の文献を取り扱う演習科目である。
Course Goals 詞林采葉抄を通して、中世万葉集享受の一面を俯瞰するとともに、仙覚その他の諸注釈との相違について基本的な知見を得ることを目標とする。
Schedule and Contents 1 詞林采葉抄概説
2 諸本について
3 先行研究について
4 万葉集について(諸本及び注釈書類)
5 歌学書について(中世歌学の史的展開)
6 万葉集享受史概説
7 万葉集叢書所収京大本の問題点
8 演習発表1 巻1の中から一項目を選んで分析したところを発表する。
9 演習発表2 巻1の中から一項目を選んで分析したところを発表する。
10 演習発表3 巻1の中から一項目を選んで分析したところを発表する。
11 演習発表4 巻1の中から一項目を選んで分析したところを発表する。
12 演習発表5 巻1の中から一項目を選んで分析したところを発表する。
13 演習発表6 巻1の中から一項目を選んで分析したところを発表する。
14 小テスト及びレポート課題概説
15 今期のまとめ
※詞林采葉抄の各巻の項目は自由に選択して良いが、すでに発表された項目以外から選ぶこととする。
Evaluation Methods and Policy 期末のレポート(50%)、授業中の研究発表(30%)、積極的な議論への参加度(20%)
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 演習担当者のレジメを熟読し問題点を整理して、自らの意見をまとめてくること。
Textbooks Textbooks/References 新校注 萬葉集, 井手至・毛利正守, (和泉書院), もしくは『萬葉集 本文篇』(塙書房)のいずれかを購入のこと。
萬葉事始, 坂本信幸・毛利正守, (和泉書院)
天理本詞林采葉抄については、研究室に複写資料が一部あるので共同で閲覧すること。その他の文献については講義中にも指示をする。
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