欧米歴史社会論2B

Numbering Code G-HUM35 5J043 LJ38 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year Master's students Target Student
Language Japanese Day/Period Fri.3
Instructor name SATO HITOMI (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course  本講義のテーマは、中世後期イタリアの政治反乱である。
 中世のイタリアでは、都市コムーネとそこから展開する領域国家を舞台に、高度な政治文化が発達し、広範な層の人々が「政治」行為に関与した。本講義ではそのような政治文化の一環として、中世後期にイタリア半島の人々を動かした政治「反乱」を取り上げる。
 具体的には、成長する諸領域国家と教会の緊張関係の中で、14世紀の教会国家領で生じた反乱を、一つの国家を越えたネットワークと半島内諸国家関係に焦点を当てて検討する。そして成長する国家権力、諸国家の相互関係と同盟、聖俗の権力の再編の複雑な絡み合の中で、国家、君主、党派、戦争、共通善という諸問題を貫く中世の政治行為としての反乱がなぜ、いかにして成立したかを、イタリア半島の固有の文脈の中で理解した上で、中世ヨーロッパ政治史の中に位置付けることを目指す。
 なお、中世ヨーロッパの政治反乱をめぐる研究史上の諸論点については、「欧米歴史社会論ⅡA」で扱う。

Course Goals 1.中世イタリアとヨーロッパの国制史、政治社会史、政治文化史に関する基本的事項を理解する。
2.中世イタリア半島の具体的な文脈の中で、政治反の原因、条件、現象形態の特徴を理解する。
3.2の理解を中世ヨーロッパ史のより広い文脈の中で理解する。
4.1~3について、適切な参考文献を活用しながら理解と考察を深め、自らの言葉で論理的に説明することができる。
Schedule and Contents 基本的に以下の計画に沿って授業を進めるが、講義の進展に応じて変更がありうる。

第1回 イントロダクション――なぜ中世イタリアの政治反乱を学ぶのか
第2~3回 中世イタリア半島の反乱をめぐる研究史上の諸論点及び課題と展望
第4~7回 中世イタリア半島の政治と国家――都市コムーネ、「シニョリーア」、領域国家と諸国家間関係のシステム
第8~9回 分裂・暴君・共通善――あるべき統治とグェルフィとギベッリーニをめぐる諸問題
第10回 教会国家とイタリア半島
第11~14回 八聖人戦争と中北部イタリアの政治反乱 
第15回 フィードバック
Evaluation Methods and Policy レポートにより評価する。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) ・特に履修要件は定めないが、高校世界史の中世ヨーロッパに関する部分の基礎知識を身に着けていることが望ましい。その不足を感じる場合には自ら参考書等で学習し補ってほしい。
・随時紹介する参考文献や授業中に配布する資料に目を通すこと。その他、関連する文献や資料を各自主体的に読み進めていくことが望ましい。
Textbooks Textbooks/References 授業中にプリントを配布し、随時参考文献を紹介する。
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