行動発達論2(福祉分野に関する理論と支援の展開)

Numbering Code G-HUM34 5C014 LJ46 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year Master's students Target Student
Language Japanese Day/Period Thu.3
Instructor name TANAKA SHINSUKE (Institute for Liberal Arts and Sciences Associate Professor)
Outline and Purpose of the Course  【この科目の正式名称は「行動発達論2(福祉分野に関する理論と支援の展開)」です】  
 人間は、全身活動・手指操作・認知・言語機能を統合し、自己表現活動系と社会的交流活動系の生成・充実を媒介として、自然や社会の諸環境に働きかける。そうすることによって環境を変化・発展させていくとともに、同時に自らの心理的・生理的・社会的な諸特質を生成・発展・充実させる。
 人格の発達的基礎としての主体の〈自己信頼性〉と〈社会的交流性〉の形成と充実が、対象の科学的・客観的な認識(空間的・時間的・価値的な認識)と連関しあうことによって、人間の個別の諸機能の発達が実現されていく。

 この授業では、人間の発達過程のうち、おもに乳幼児期から児童期・青年期に焦点をあてて、それぞれの発達の舞台に立つ人たちの生理的・心理的な特質と、発達を支える社会的・教育的な過程の特質についての理解を深める。
 特に今期は、乳幼児期の自己信頼性の生成・発展・充実が、その後の児童期・思春期・青年期での人間形成にどのように寄与するのかについて考えたい。
 受講生のみなさんが人間の発達についての新しい見方に触れて、自分自身の未知の価値を発見し、人間の可能性を新たに評価する力を得られることを願う。
Course Goals  1)乳幼児期の各年齢段階について、①生理的基礎、②全身活動、③手指操作、④認知・言語、⑤感情、⑥社会的交流の各機能の特徴と相互の関連性を理解する。
 2)発達の過程で「自己信頼性」が啓培され、それによって個別の諸機能が形成されて新たな発達階層への飛躍が実現していく基本機構の理解を深める。
 3)障害や基礎疾患のある場合を含めて、例外なくすべての子どもたちの生命・健康・発達が保障されるためにどのような社会制度や環境が重要かを考える。
Schedule and Contents  次のトピックスについて講義する。
(1)発達を学ぶ意義(生存権・健康権・発達権の保障に関する国際動向、子どもの発見)
(2)発達の生理学的・免疫学的基礎(神経回路網の形成と再生のしくみ、自己認識としての免疫システム)
(3)人間の発達過程(乳児期:前半・後半、幼児期:初期・中期・後期、児童期、青年期)
(4)医療問題と人間発達(放射線障害、予防接種被害事件、薬害エイズ事件、発達障害、精神機能障害など)
(5)社会問題と人間発達(PTSD、児童虐待、戦争と児童兵士、国際協力、義務教育の保障に関する国際動向)
Evaluation Methods and Policy  ①人間の発達の大切さと不思議さを解明するために重要な問題は何かを見抜く力、
 ②そのような問題そのものを新たにつくり出す力、
 ③仮説を設定し資料を収集し、事実をもとに論理的に筋道立てて結論を導く力、
 これらの力を授業時のミニレポートと、期末レポートによって評価します。

 人間の発達に関する学問の成果を学ぶことを通して、人間の生命・健康・発達を信頼し期待し尊重する基礎的な力が培われていくことを期待しています。
Course Requirements  基本的なことから学習を進めていきますので、予備知識は特に必要ありません。
 文系・理系のいずれの専門分野の場合でも受講を歓迎します。
Study outside of Class (preparation and review)  人間の発達の仕組みと魅力は、基礎的な理論学習とともに、子どもや人間を実際に見て実践的に保育・教育・療育の活動を経験することによって初めて、実感をもって深く理解していくことができます。
 実践現場での発達観察の方法について、講義の各テーマとリンクさせて授業中に解説していく予定です。
Textbooks Textbooks/References  講義中に紹介します。
References, etc.  講義中に紹介します。
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