文芸表象論演習2

Numbering Code G-HUM34 5B025 SJ36 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Seminar
Target Year Master's students Target Student
Language Japanese Day/Period Thu.3
Instructor name SUTOU SHUUHEI (Graduate School of Human and Environmental Studies Associate Professor)
Outline and Purpose of the Course  19世紀初頭ドイツの作家ハインリヒ・フォン・クライストの短編小説『チリの地震』(原題:Das Erdbeben in Chili、初出1807年)を日本語とドイツ語で読み、様々な観点から作品の解釈を試みます。後期には、前期科目であるドイツ文芸表象論演習Aと関連しつつ、前期とは別の分析方法について先行研究から学びます。必要事項は都度説明しますので、後期のみの受講も可能です。
 この作品は、17世紀のチリを舞台に、不義の罪に問われ処刑される寸前であった若い男女が突然の地震によって生き延び、被災者たちと理想的な共同生活を体験したのち、結局は倒壊を逃れた教会のミサで暴徒によって殺害されるというダイナミックな筋書きで、これまでの研究でも様々な解釈がなされてきました。「災害ユートピア」や暴徒、群衆といった点で、現代社会における問題とも密接な関わりを持ちます。
 その作品を原典にあたって読み、またそれについてこれまでどのような研究がなされてきたのかを学ぶことで、自分が興味を持った点について学術的に論じる方法を学びます。このとき、作品だけでなく研究論文をドイツ語で読みます。必ずしも全訳するのではなく、何が論じられているのかを把握すること、すなわちドイツ語を通じて必要な情報を入手できるようになることを目標とします。
Course Goals ・ドイツ語で書かれた文学作品を原典で読めるようになる。また、それについての研究論文を理解できるようになる。(技能)
・18世紀末から19世紀初頭にかけてのドイツ語圏が置かれた歴史的状況についての知識を得る。(知識)
・人文社会、特に文学を対象とした学術研究の取り組み方、論文の書き方を体得する。(技能)
・小説の読解を通じて、自分自身が関心を持つ問題や、現代の問題について考える力を養う。(態度、志向性)
Schedule and Contents 第1回 オリエンテーション
第2回 前期受講者のレポートを紹介し、それについて議論する
第3-6回 研究論文を読む
第7回 これまでに得た知識をふまえて議論する
第8-12回 研究論文を読む
第13回 これまでに得た知識をふまえて議論する
第14回 レポートの読み合わせ、論評
第15回 フィードバック
Evaluation Methods and Policy 平常点(各回の発言やドイツ語訳等)70%、学期の途中に提出するレポート30%として総合的に評価する。
Course Requirements ドイツ語が読めること。解説や手ほどきは丁寧におこなうので、初級文法の知識があり、自ら学ぶ姿勢があれば歓迎します。
なお、本科目は半期授業ですが、同作品を通年で扱うので、前期科目「ドイツ文芸表象論演習A」も合わせて受講することをおすすめします。もちろん、後期のみの受講も可能です。
Study outside of Class (preparation and review) 授業中に扱う範囲のテキストを予習して授業に臨むこと。
Textbooks Textbooks/References チリの地震 クライスト短篇集, H・v・クライスト(種村季弘訳), (河出文庫、2011年), ISBN:978-4-309-46358-2
ドイツ語テキストは授業中に配布します。
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