Management Process of Land, Infrastructure, Transport and Tourism Policy

Numbering Code P-GOV00 64850 OJ45 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year 1st & 2nd year students Target Student
Language Japanese Day/Period Tue.5
Instructor name MUTOU HIROSHI (Graduate School of Law Visiting Professor)
Outline and Purpose of the Course  国土交通政策の個別分野を例にとり、国の行政の現場で行われる、政治、メディア、業界、消費者などとの政策の調整過程を紹介する。講師の公務員経験の中から、係員から次官までの各職務において、どのような調整が行われて政策が成立してきたのかを見ることによって、官民と政官の役割の変化をたどり、現在果たしている公務員の機能について理解を深めることを目的とする。その際に、行政改革や規制緩和、省庁再編、公務員制度改革、政治改革を経て公務員の行動様式がどのように変化してきたのか、その役割が変わったのかなど、現場に即した事例を紹介して、図式的に語られる公務員像の修正を試みる。
Course Goals 国の政策調整の多様性を理解し、政策形成の当事者となる能力を身につける。
Schedule and Contents 第1回 霞が関地盤沈下論
 日本経済低迷と霞が関の地盤沈下と言われる背景を考える。官民と政官の関係において行政改革と政治主導論により公務員の役割や行動様式がどの程度変化したのか行政の現場を紹介する。定員管理と超過勤務、倫理法と官民の関係、人事制度とその運用など職場環境の実態と今後の働き方改革の方向を説明する。
第2回 事務次官の仕事 
 次官の役割を一年間の仕事から説明する。事務次官等会議の実態、党幹部など国会議員や知事、経済団体や所管する業界の幹部、記者、労働組合などとの日常のやり取りを紹介するとともに、省内の意思決定へのかかわりを説明する。
第3回 国鉄改革
 国鉄の役割と経営破綻から分割民営化までの歴史を説明する。巨大経営体の抜本的な改革がどのようにして実現できたのかを、財界と政権の関係、与党内の調整過程、国会における審議から説明する。その後のJRの課題についても説明する。
第4回 インフラ担当官庁としての国土交通省の役割 
 社会資本とは何か、国家予算における公共事業予算の推移と予算の折衝過程を説明する。公共事業批判の論点と社会資本整備の効果と執行の工夫を見て、今後の公共事業の在り方を考える。
第5回 国土交通行政と行政改革
 行政改革の歴史を見ることによって官民の役割の変遷を説明する。規制改革の目的と効果を道路運送事業を例にとって、行政と企業の関係や規制の現場で何が変わったのかを説明する。
第6回 観光行政
 観光産業を概観するとともに、観光行政の変遷を説明する。インバウンド拡大の背景と効果、取組体制と政策の内容、地域における取り組みの実態、コロナ後の展望を説明する。あわせて世界の国際観光に関わる体制を見る。
第7回 幹線交通行政
 国際交通市場における日本企業の位置づけを見る。国内交通の陸海空の機関分担の変遷と整備財源をめぐる総合交通体系論を説明する。高速道路と新幹線の整備と経営の実態を財源とともに説明する。
第8回 物流行政
 産業物流と消費者物流の実態を見る。海運、造船、港湾行政の変遷を説明する。あわせてトラック輸送の課題やロジスティックの現状、アマゾンが日本にもたらした影響を説明する。コロナ禍における物流への影響を説明する。
第9回 国土政策と地域交通行政 
 国土総合開発計画と形成計画の変遷を見る。都市政策と地域政策、特に地域交通政策の現状と課題を説明する。あわせて交通サービスの改善投資、自動運転、MaaSなどAI活用の現場と方向を説明する。
第10回 航空行政 
 国の運営する空港管理と航空管制の現場行政と羽田空港など航空容量の拡大の工夫を説明する。空港整備の公共事業行政と整備財源や経営の民営化を説明する。あわせて成田空港問題について説明する。
第11回 航空行政その2
 航空会社に対する事業行政の変遷、規制緩和と競争促進による企業への効果、事業規制の変化による現場の対応、安全規制の方法などを説明する。あわせて国際航空関係の仕組みと航空交渉の実態を説明する。またコロナ後の展望を説明する。
第12回 国土交通行政の国際展開
 国際担当審議官の仕事と総理など首脳外交の現場を紹介する。外務省と各省の関係、国土交通関係インフラ輸出の取り組みと意義、今後の方向を説明する。国際機関における日本の役割を説明する。
第13回 メディアとのかかわり
 行政が対応するマスメディアとネットワークメディアの現状を紹介する。記者の行動様式とともに記者クラブルールと記者会見における行政の対応、危機管理の実態を説明する。政策広報の方法とその効果を説明する。
第14回 政治とのかかわりと公務員の役割
 公務員の政治的中立と与党との連携による国の制度作りの必要性を国会や与野党と行政の関係から説明する。国会の仕組みと政府が提出する法案の策定にかかわる与野党調整、国会答弁作業を紹介する。政治改革による政治権力の変化を見るとともに政治主導論による政官の役割分担がどうあるべきか考える。また、公務員経験が個人の自己成長にどう寄与するのかを説明する。
第15回 フィードバック
 メールにより実施する。
Evaluation Methods and Policy 平常点(授業への出席と質疑状況)及び数回のレポートにより総合的に判断する。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 授業中に指示する。
References, etc. 授業の前に、参考資料のURLと参考図書をPandAに掲載する。授業当日は参考資料を参照しながら講義する。
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