Case Study: International Development and Aid

Numbering Code P-GOV03 66030 OJ45 Year/Term 2022 ・ Intensive, First semester
Number of Credits 2 Course Type lecture and seminar
Target Year 1st & 2nd year students Target Student
Language Japanese Day/Period Intensive
Instructor name HASEGAWA MOTOHIRO (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course (前期の成績報告に間に合わない可能性があります。ご注意ください。)

第二次大戦後、戦後賠償を基本概念として出発した日本の政府開発援助(ODA)は、自国の経済・社会開発経験の共有を基に、多くの途上国において様々な分野での発展に貢献してきた。今日、支援してきた一部の国々は新興国と呼ばれる程に成長するなど、日本のODAは、経済的及び外交上にも成果を挙げ、その期待と重要性は益々高くなってきている。しかし一方では、気候変動や生物多様性の喪失など、国境を越える地球環境問題が顕在化し、日本のみならず国際社会は対処すべき新たな課題に直面している。そのような中、2015年に開催された国連サミットにおいて「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)」が採択され、現在、国際開発・支援(以下、国際開発協力)として国際社会が取り組むべき共通の目標と認識されている。

SDGsへの貢献は、日本のODAにとっても取り組むべき総合的かつ重要な目標となっており、様々な活動が行われている。本授業では、国際開発協力の歴史的経緯や援助潮流など、ODAの仕組み等の基礎を学んだ後、これまで長谷川が関わってきた国際協力プロジェクトのうち、特に地球環境問題(自然環境保全)への取り組みに焦点を当て、「持続可能な開発」を可能とするにはどのような考え方/概念、具体的にどのような活動や支援が必要なのかについて見識を深めることとする。講義では、具体例を多く紹介することで実践的な感覚と知識を身に付け、それら事例の中から学んだ点を応用し、グループ演習を通して学生自から考え、議論し発表することで、知識の定着を図る。
Course Goals 国際協力の基礎的知識を概観したうえで、地球環境問題(自然環境保全)への取組みについて学ぶ。自然環境保全の基礎として、関連する国際的枠組み(e.g. 生物多様性条約、名古屋議定書、ラムサール条約、ユネスコMAB計画など)について理解を深める。そのうえで、合意されたコンセプトをツールとして活用し、国際協力プロジェクトの形成や国際合意文書の作成を国際協力支援実務の一環として行う。具体例を活用した演習(グループ議論と発表)を通し、環境問題の多様性及び不確実性を体感すると共に、理論と実践を連動させるための考え方と基礎知識を習得する。
Schedule and Contents 5日間の集中講義形式とする。

1. 講義(2日程度)
・国際開発協力の変遷、国際機関も含む関係諸機関、JICAの仕組み
・重要概念(人間の安全保障、キャパシティ・ディベロップメント、生物多様性、環境ガバナンス、生態系サービス等)
・自然環境や生物多様性に関連する主な条約、国際機関の役割(国際目標:SDGs等)
・自然環境保全分野(生物多様性・生態系保全)を中心とした事例紹介
・案件形成/管理の手法:プロジェクト・サイクル・マネージメント(ログフレーム、5項目評価等)
2. グループ・ワーク(2日程度)
・課題1: プロジェクト・デザイン・マトリックス(PDM)の作成(案件形成)
・課題2: 名古屋議定書実施に関する「提案書」の作成(和文)
3. 発表とまとめ(1日)
・グループ毎の発表及び討論(PDM)
・国連に対する「提案書」を題材とした「模擬国連」討論(グループ討論)
・全体総括及び評価(フィードバック)
Evaluation Methods and Policy ・平常点(20%):授業への参加、貢献度
・グループ発表とそれに伴う議論への貢献度(30%):発表に至るまでのグループ内議論及び発表後のグループ間討論/質疑応答への貢献度
・最終レポート(50%):「持続的開発を実現するための国際協力」というテーマを基本とするが、本コースで学んだ内容を基にしたテーマであれば、レポートのタイトルは自由とする。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 本授業は短期集中講義のため、本分野の入門書として優れている「国際協力(下村恭民)」を事前に通読しておくことを勧める。また、関連URLも同様に、事前の閲覧を勧める。
Textbooks Textbooks/References 必要資料を適宜配布する(webから全ての資料をダウンロードできるよう設定する)。
References, etc. 国際協力 -- その新しい潮流 第3版, 下村恭民, (有斐閣)
野蛮から生存の開発論: 越境する援助のデザイン, 佐藤仁, (ミネルヴァ書房)
貧困の終焉: 2025年までに世界を変える, ジェフリー・サックス, (早川書房)
傲慢な援助, ウイリアム・イースタリー, (東洋経済新報社)
政府開発援助(ODA)白書, 外務省, (外務省), 外務省ホームページから入手可
Related URL http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/tikyuu_kibo.html
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/doukou/page23_000779.html
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sdgs/
http://www.biodic.go.jp/biodiversity/about/initiatives/index.html
http://www.jica.go.jp/
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_007164.html
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